どーもー!
髪と頭皮のことを真剣に考える美容師あっくんです。
現在、化粧品には配合されている全ての成分の表示が義務付けられいるのですが、
実は”配合されているのに書かなくてもよい”という成分(ルール)が存在します。
それが「キャリーオーバー成分」というものです。
〔もくじ〕
化粧品における『キャリーオーバー成分』とは?
「キャリーオーバー」とは日本語的な意味としては、「持ち越す」といった意味になります。
宝くじなどで当選者がいなかった場合、その賞金を次回に持ち越す時などにも用いられる言葉ですね。
しかし化粧品の「持ち越し成分」といっても、
それだけでは「何を?何のことを?」となると思います。
全成分表示のルール
厚生労働省の化粧品の成分名称に関する通知によりますと、
キャリーオーバーとは、配合されている成分に付随する成分(不純物を含む)で、製品中にはその効果が発揮されるより少ない量しか含まれないもの、
と定義されています。
と、言われてもイマイチわからないですよねww
少し噛み砕いて説明していきますね。
成分表示のルール
現在の化粧品のパッケージには配合されている成分を全て表示しないといけないという全成分表示のルールがあります。
しかし、上記に書いた様に、キャリーオーバーに該当する成分においては、全成分表示に表記しなくても良いことになっているのです。
では、その「キャリーオーバー成分」はどんなものに存在するのかと言いますと、
化粧品メーカーが、
「よし、新しい化粧品を作ろう!」となった時に、
その材料となるものは、「化粧品原料会社」から”原料となる成分”を使って化粧品を作っていきます。
多くの化粧品メーカーは原料から独自に作り出しているわけではなく、化粧品原料会社から購入したいろいろな成分を、
組み合わせたりしながらお好みの化粧品を作っていくのです。(製造も製造会社にお任せする場合がほとんどです)
そしてこのときに配合した「成分」は、化粧品のパッケージの全成分表示に全て明記しなければいけないと決められているということですね。
そこで、ここが1つポイントになるのですが、
表示義務があるのは使っている「成分」であって、「原料」に関しては表示義務がありません。
「原料」と呼ばれるものは、特定の成分をできる限り高濃度で抽出したり、化粧品原料を製造する会社が独自に開発した成分を製造したりするのですが、
その成分の安定のために防腐剤などの化学物質を添加したり、その原料を抽出する時にどうしても余計な成分が残ってしまうことがあります。
これが「キャリーオーバー成分」です。
つまり、植物から●●エキスの原料を作り出そうとした時に、そのエキスを抽出するためにアルコール類などを使用したり、抽出後にどうしても不純物として残ってしまう成分があったり、
抽出した成分が腐ってしまったりしないように、原料の時点から防腐剤を入れている場合があるのですが、
その時の不純物や防腐剤が原料に含まれたままになっていても、微々たる量で製品に与える影響力は少ないという事で、
その商品化した時に「●●エキス」とは成分表示しますが、その原料に含まれる”微々たる成分”つまり”キャリーオーバー”扱いになり表示する必要がありません。
これが「キャリーオーバー成分」というものの正体です。
ですから、極端な話、その化粧品の成分が全て書かれているといっても、その原料に含まれている微量の成分まではわからないことになります。
「化粧品(製造)メーカー」が商品にパラベンを追加で配合せず製造すれば、「パラベン無添加化粧品」として売ることもできるという事です。
つまり無添加と書いてるけど無添加じゃない可能性もゼロではありません。
成分表に書かれていない成分が含まれていても、これは法律の観点からは違法ということにはなりません。
そして、キャリーオーバー成分は微量なので、一般的にはあまり神経質になる必要はないと言われています。
僕自身も実際にそこまで気にする必要は無いと思っていますし、
ここまで書く必要性を求めると成分表が余計にややこしくなったり、
メーカーの負担も増えると思うのでなかなか難しいと思っています。
特別に敏感な方以外はそんなルールがあるんだなぁ〜と頭の片隅にでも覚えておいてもらうだけで大丈夫です。
ただ、もし完全に無添加じゃないととこだわる人や過敏症などで特定の物質を避けたい方などは、
メーカーのホームページをチェックして原材料がどこのもので、どのように原材料を加工しているのか、キャリーオーバーについての説明があるのかなども、チェックした方がいいのかもしれません。
記載がなければ、思い切って電話やメールなどで開発者の方にお問い合わせしてみてください。
仮に公表義務のないキャリーオーバーについてもしっかりと説明してあったり、全ての成分に対して公開してくれたりするのであれば、その化粧品メーカーの商品作りへの姿勢を知る、ひとつの目安になるかもしれませんね。
ではでは。
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