どーもー!
髪と頭皮のことを真剣に考える美容師あっくんです。
なんと韓国が天然物質から新しい頭髪用ヘアカラーを開発したという情報が入ってきました!
アルカリカラー、ヘアマニキュア の変わりや、
ヘナなどの植物性染料の変わりになるようなヘアカラーになるのか?
とても気になるので調べてみました!
〔もくじ〕
没食子を利用した新しい天然白髪染めを開発
韓国科学技術院(Korea Advanced Institute of Science and Technology:KAIST)の研究者らは、中世以来使用されてきたアイロンゴールインクを利用して、黒髪用の染毛剤を開発した。
アイロンゴールインク(iron gall ink)は、没食子(もっしょくし)インクとも言われ、紙への付着が強く、耐久性、耐水性にも優れている。
没食子インクは、中世以降、筆記具として幅広く利用されていたインクの原料になります。
没食子とは?
「没食子」とは、ブナ科の植物の若芽にタマバチが産卵することでできる「虫こぶ」のことです。
タマバチの幼虫はこのこぶの中身を食べながら成長します。
こぶには高濃度の「タンニン」が含まれており、
抽出後に「鉄」成分と混ぜ合わせ濾過し、植物樹脂のアラビアガムを加えて没食子インクとしていました。
https://lowtech-romantica.net/2018/04/03/fp-igink-01/
この没食子インクの仕組みを、頭髪用のヘアカラーへの応用に成功したということですね。
没食子カラーの染まる仕組み
今回開発された染毛剤は化粧品成分として認可されている、タンニン酸、没食子酸、およびFe(d-グルコン酸)2で構成されている。
この配合物は、過酸化水素のような有害な酸化剤を必要とせず、空気に曝されると自然に酸化し、髪をしっかりと黒くコーティングする。
この染毛剤で染色された色は、シャンプーや日光曝露で退色せず、少なくとも3カ月間は髪色を保持した。
ここまで読むとヘアカラーの歴史に詳しい方はおやおや?となっていると思いますが、
この仕組みのヘアカラー、とっくの前から日本で登場しています!
そう、「お歯黒式ヘアカラー」というものです。
歴史は長く、明治時代の頃から、
「タンニン酸」と「鉄分」を用いた「おはぐろ式」の毛染めが使用されていました。
こちらがお歯黒式ヘアカラーの内容成分です。
1剤:[有効成分]サリチル酸Na、没食子酸[その他の成分]ステアリン酸ステアリル、PG、POEセチルエーテル、尿素、カンゾウ抽出末、L-アスコルビン酸ナトリウム、無水亜硫酸Na、セタノール、水酸化K、炭酸水素アンモニウム
2剤:[有効成分]硫酸鉄水和物[その他の成分]ベヘニルアルコール、POEセチルエーテル、塩化トリPOE(5)ステアアリルアンモニウム、L-アスコルビン酸、セタノール
1剤に「没食子酸」の文字があり、2剤に「硫化鉄」の文字がある事がわかりますね。
お歯黒式ヘアカラーは没食子と鉄を順番に塗布しないといけませんでしたが、
この没食子ヘアカラーは最初から混ぜておいて反応するように出来ているようです。
しかし、染まる仕組みは「お歯黒式ヘアカラー」なので、
- 硫黄のような独特の臭いがする
- 使い続けると髪がごわつき、ダメージを与えやすい
- 鉄イオンが邪魔をしパーマがかかりにくくなる
- 髪の毛を明るくは出来ない
- 真っ黒というより青や紫っぽくなりやすい
- 金属アレルギーの方はアレルギーを起こす危険性もある
というデメリットは同じ様にあるのではないかと思います。
そして、さらに気になるその下の一文、
この配合物は、過酸化水素のような有害な酸化剤を必要とせず、空気に曝されると自然に酸化し、髪をしっかりと黒くコーティングする。
何も知らない一般の方がこれを読めば、
空気にさらしておくだけで自然に酸化するので髪の毛に優しそう♪とか思ってしまうのかもしれませんが、、、
日本の美容業界でも問題になった「光で染まる(銀塩)ヘアカラー」というものもありました。
これは「銀」を日光により酸化(サビ)させて髪の毛に色をつけるというメカニズムのヘアカラーです。
今回の没食子ヘアカラーは、
没食子と鉄を混ぜておいた薬剤を髪の毛に付け後(一度流すのかは不明)、自然に空気に触れさせることで酸化させるというメカニズムですので、
「お歯黒式ヘアカラー」と「銀塩ヘアカラー」を足して割った様なヘアカラーになりそうだということで、、、
まとめ
「韓国が新しい白髪染めを開発!」の文字に僕も少しココロ踊らされましたが、
蓋を開けてみると、なんの明治からある「お歯黒式ヘアカラー」を応用した染毛料でした。(あくまで僕の推測ですが)
しかも、デメリットも多いこの染毛料、
1番怖いのは、
韓国で大ヒット!全く新しい白髪染め!
天然成分のみ白髪染めが出来る!
空気で染まるヘアカラー!
とかなんとか言ってそのうち日本に入ってくる可能性もあるということです!
もし、そんな風なフレーズのヘアカラーを見つけても、
絶対に!使用しないでくださいね!
天然素材で構成されたこの配合物は、毛髪化粧品産業において大きな影響を及ぼし得ると研究者らは述べている。
ではでは。
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あっくん★
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