どーもー!
大阪からノンジアミンカラーの研究と発信をしている美容師あっくんです。
ヘアカラーでのアレルギーでお悩みの方に朗報です!!
つい最近こんなニュースが飛び込んでまいりました!
〔もくじ〕
日華化学、アレルギーリスク低減できるヘアカラー染料を開発
美容サロン向け頭髪化粧品ブランド『デミ コスメティクス』を展開している日華化学株式会社(福井県福井市)は12日、髪へのダメージや頭皮への刺激がなく、大幅にアレルギーリスクを低減でき、美しい発色も実現するという世界初のヘアカラー用染料『グロス染料』を開発し、今年1月に特許出願したと発表した。
なんと美容師さんにはおなじみの美容メーカー「デミ コスメティクス」の日華化学が、
大幅にアレルギーリスクを低減でき、美しい発色をも可能にした、
世界初のヘアカラー染料「グロス染料」の開発に成功したとのことです!
これまで全く聞いたことのない初めてのヘアカラー染料です!!
ヘアカラーにおけるジアミンなどのアレルギー反応により、
ヘアカラーアレルギーの方がすごく増えてきてる今日、このアレルギーのリスクを減らした新しい染毛剤の発表はとても嬉しいニュースですね!
デミさんの公式サイトを元に、この「グロス染料」について調べてみました!
グロス染料とは
【グロス染料について】
日華化学の界面科学・高分子化学を中心とするサーフェスサイエンス技術と、頭髪用化粧品ブランドであるデミ コスメティクスの持つ毛髪科学や皮膚科学に基づいた浸透・染色技術を集結して開発されたのが『グロス染料』です。長年培った当社の合成技術を活用し、アレルギーリスクの低減に努め、地肌にやさしく、艶やかな発色を実現する新しい染料です。
【グロス染料と既存染料の違い】
現在、ヘアカラー用の染料には主に、アルカリカラーに含まれる「酸化染料」、ヘアマニキュアに含まれる「酸性染料」、カラートリートメントに含まれる「塩基性染料」、ヘナ等の「植物染料」の計4種類が存在しています。それぞれの染料の特徴として「酸化染料」(アルカリカラー)は分子が小さくアルカリ剤によって髪の内部まで浸透し、過酸化水素の働きにより染料同士が結合(酸化重合)して発色します。しかし、アルカリ剤や過酸化水素は髪へのダメージや頭皮への刺激を引き起こす要因となります。また、分子の小さな酸化染料が頭皮に入り込むことで、アレルギー反応を起こす可能性があります。
一方で「酸性染料」「塩基性染料」「植物染料」は分子が大きく、髪の内部までは浸透せずに表面に染着するため髪や頭皮への刺激が少ない一方、染毛力が弱いまたは皮膚に染まりやすい傾向にあります。
この度、当社が特許を出願した『グロス染料』は髪へのダメージや頭皮への刺激がなく、大幅にアレルギーリスクを低減でき、さらに美しい発色も実現するという、既存染料の優れた特長を併せ持つ、これまでにない新しい染料です。
ここにあるように、これまでの「酸化染料」と比べて髪や頭皮への負担が少なく、
「酸性染料」「塩基性染料」「植物性染料」と比べて、髪にはしっかりと染まり、頭皮には染まらないという選択性も兼ね備えながらも、
しっかりとした発色を行うといったまさに理想的な染料のようです。
その特徴の仕組みは?
日華化学の技術『グロス染料』がもたらすヘアカラーのメリット
◆ジアミンフリー※2でアレルギーリスクを大幅に低減。
◆アルカリ剤※3・過酸化水素フリーでダメージレス、低臭、低刺激のカラーリング。
◆くすみの原因となる異性体※4を含まないため彩度が高い発色に。【アレルギーリスクを大幅に低減】
『グロス染料』は、酸化染料よりも分子が大きい二量体※5の染料です。頭皮に入り込みにくく、アレルギーリスクを大幅に低減します。
ふむ、これまでの酸化染料と違って「二量体」という分子2個が結合してできた化合物のために、
色素の分子量が大きく、頭皮に染み込みにくいために、アレルギーを引き起こす可能性が低い特徴があるようです。
そして通常の酸化染料には必ず含まれている
- ジアミン
- アルカリ剤
- 過酸化水素
が含まれていない染料になるということです。
①のジアミンはともかく、②のアルカリ剤や③の過酸化水素が含まれていないことで、
髪や頭皮へのダメージや減ることは間違いないのですが、
髪の毛を“明るくすることが出来ない”とも考えられます。
(逆にライトナーやブリーチと混ぜることでも発色出来るのかも気になります)
【ダメージレス、低臭、低刺激のカラーリング】
アルカリ剤・過酸化水素フリーでダメージレス・低臭・低刺激のカラーリングが可能になります。酸化染料は毛髪内に浸透し、過酸化水素の力で染料同士が結合(酸化重合)することで発色しますが、『グロス染料』はすでに発色している染料のため、過酸化水素を使う必要が無く、酸化によるダメージレスで染色を実現します。また、この『グロス染料』は髪のキューティクル層付近に染まりやすい特徴を有し、髪に自然なツヤを表現できます。
【くすみにくく彩度が高い発色】
『グロス染料』は二量体染料を精製しているため、不要なにごり・くすみのないピュアな発色が得られます。酸化染料は複数の染料が様々な組み合わせで結合するため、目的の色を表現する色素とは別の色素(異性体)が発生し、にごり感やくすみ感が出てしまいます。※1 PCPC(米国化粧品工業会)において、当該成分のINCI名(化粧品成分の国際名称)を世界で初めて取得しました。
※2 パラフェニレンジアミン(酸化染料)を配合していません。
※3 アンモニア、モノエタノールアミンを配合していません。
※4 異性体とは酸化染料の重合時に発生する目的色とは異なる染料物質のことを指します。異性体は発色時にくすみの 原因となります。
※5 二量体とは分子2個が結合してできた化合物です。
「グロス染料」は過酸化水素による酸化重合を行わずとも、単独で発色が行われ、
髪の毛の内部では無く、外側のキューティクルに付着し、発色するようです。
さらに「酸化染料」と比べて、にごりが少なく彩度の高い鮮やかな発色が特徴の模様です。
まとめと推測
ここまで発表されている「グロス染料」の特徴を踏まえると、
- 単独で発色
- くすみが無く鮮やかで色持ちがよい
- アルカリ剤・過酸化水素不使用
- 頭皮には染まりにくい
- アレルギーが起こりにくい
などということで、
「塩基性HC染料」と似たような特徴の染料になりそうです。
もしくは、富士フイルムと花王が共同開催し、話題となっている「レインボー染料」
これとよく似た特徴の染料になることが予想されます。
その中で僕が1番気になるのはこのグロス染料は、
「白髪染めに使えるのか?」
ということです。
同じ様に、アレルギーを起こしにくく鮮やかな発色が得意な「塩基性HC染料」では、
まだまだ白髪染めとして使用するには染まりが悪くかったり、色落ちが早かったりと、通常の「酸化染料」には遠く及ばないといえます。
ヘアカラーでのアレルギーでお悩みの方は基本的に白髪を安全に綺麗に染めれることを望んでいます。
この「グロス染料」が安全に地肌から白髪を染めることが出来るヘアカラー剤になるのなら、これまでの染料に取って代わるシロモノになる可能性もあります。
次第にその特徴はわかってくると思うので、また新しい情報が入りしだいこのブログでご紹介していきますね!
追記(h30/6/26)
さらにグロス染料についての詳細を入手しましたので、少し追記しておきます。
この「グロス染料」は、
酸化染料の酸化重合体(2量体)だそうで、
簡単に言うと、
酸化染毛剤の1剤と2剤を混ぜて発色させ、とことん酸化反応させた後の薬剤で髪を染めるイメージのものだそうです。
椙山女学園大学の上甲先生が提唱されていたものになります。
薬剤としては、
通常の酸化染毛剤の様に、1剤(グロス染料)と2剤(染料拡散処方)を混ぜ合わせて使用するようですが、
アルカリ剤と過酸化水素は使用していないということなので、ブリーチ効果などは無いようです。
そのため髪の毛を明るくしながら染めるためには、2度染めの手順を踏むか、ライトナーと併用ることになりそうです。
白髪への染まりも今のところ酸化染料ほどしっかり染まるものではなさそうなので、
ジアミンアレルギーで白髪染めが困難な方に対してどこまでの価値があるのかは今のところ不明。
そして、そもそもグロス染料の仕組みとして、
“酸化染料剤を混ぜ合わせて発色させたもの“であるために、ジアミンが入っていないとしても、ジアミンに近い(変化したもの)が入っていると考えられますので、
ジアミンアレルギーの方には交差反応などを示す危険性があるのではないかと推測します。
と思ってしまいますよねw
ともかくこのグロス染料を使ったカラー剤は、この秋にも発売予定のようですので、
もう少し様子をみてみたいと思います。
また追加情報あればご報告しますのでお待ちください♪
追記2(h30/10/5)
ついにこちらの『グロス染料』を配合した新商品『ル・ポリサージュ』が発売されました!!
こちらの商品の仕組みについて徹底的解説していますので是非読んでみてください!
(2剤の秘密、染まるメカニズムなどについて詳しく書いています)
ではでは。
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あっくん★
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