どーも!
髪と頭皮のことを真剣に考える美容師あっくんです。
みなさんの中で気が付くとついプチプチと自分の毛を抜いてしまうという癖がある人はいませんか?
何気ない癖だと思っている方もおられるかもしれませんが、
実はそれ『抜毛症』(ばつもうしょう)と呼ばれる症状かもしれません!?
髪をつい抜いてしまうという何気ない癖が、実は想像以上に重たい疾患だった、
ということにもなりますので今回お話していきたいと思います。
〔もくじ〕
『抜毛症』とは?
『抜毛症』という言葉自体初めて聞いたという方もおられると思いますが、
実は思春期の若者を筆頭に、成人されている大人の方にも数パーセント割合でいらっしゃると聞いています。
『抜毛症』別名トリコチロマニアと呼ばれ、
自分の髪の毛や眉毛、体毛を引き抜いてしまう性癖によって起こる精神疾患になります。
抜毛症(ばつもうしょう、Trichotillomania、トリコチロマニア)とは、正常な毛を引き抜いてしまう性癖によって脱毛斑が出現する精神障害。抜毛癖(ばつもうへき)[1]とも呼ばれ、また主に頭髪を引き抜く症例が目立つことから禿頭病(とくとうびょう)とも呼ばれる。DSM-IVやICD-10では、衝動制御の障害に含まれる。本人が全く自覚せずに、無意識のうちに抜いている場合もある[2][1]。人によっては症状が5、6年経っても治らない人もいる。
抜毛症は”脱毛症”と間違えたり混ざってしまっている人もいるかもしれませんが、
この2つは根本的に違うもので、自分から抜いてしまう脱毛なのか、自然に抜けてしまう脱毛なのかという違いになります。
髪の毛や体毛などの一部を無意識のうちにつまんで引き抜いてしまうのがこの症状の特徴で、その抜くことに快感を感じてしまっているケースも多いです。
なので単なる癖だと思っていたり、最初は無自覚のうちにやっている場合などがあるので、本人は気がついていないという場合もあり、
だんだんエスカレートしてしまうと心の病気の一種となってしまいます。
抜毛症は、自分の意思をうまく伝えることが難しい低学年の子供から思春期くらいの子供が発症することが多いのですが、
最近では成人になっても症状が続いている方もおられ、内向的な性格だったり、コミュニケーションが苦手といった、身の回りの環境や人間関係に悩んでいる人が多いのが特徴です。
子供の場合であれば「円形脱毛症」と思っていたら、実は『抜毛症』だったということもあるようです。
そしてずっと同じヘアアレンジをしていたり、くくったりすることで起こってしまう牽引性脱毛症とも全く違う症状となります。
『抜毛症』は毛を抜くことをやめよう、減らそうと思っても中々やめることが難しいため、精神疾患であり、強迫症の一種にも分類されます。
女の子や女性は自分のこのクセを恥ずかしがっている場合が多いので、他人や家族、友人に隠しがちです。
実際見えにくい内側のところを抜いてしまうケースも多いので周りの人から気づかれにくいということも多いです。
そういったことで症状の発覚や対応が遅れてしまい、常習化してしまい症状が悪化してしまうケースがあります。
そしてこの病気の辛いところは、毛を抜くことをやめたいと思う気持ちがあっても、自身の意思に反して簡単にはやめることが難しいところなのです!
【抜毛症(トリコチロマニア)の原因】
残念ながら現時点では、はっきりとした明確な原因は解明されていませんが、
ストレスや不安、神経細胞や脳のコミュニケーションの一部に支障があるという説が有力です。
もともと”自分の髪を触る”という行為自体が不安な気持ちを落ちつかせたり、考えごとをしていている時に起こりやすいと言われています。
つまり、髪をくるくるねじったり、毛先の枝毛をずっと触ってしまうなどといった行為と本質的には大差ないのでは無いかと思います。
ただ、それが”抜いてしまう”という行為になってしまうだけで。
『抜毛症』を発症しやすい10代の多感な時期は、”友達関係” ”親との関係”など、
自分だけではどうすることもできないような大きなストレスを感じている子が多くなりがちです。
そんなストレスにより、イライラした時に毛を抜いたことがきっかけで癖になることが多く、毛を抜くという”痛気持ちいい”という行為が落ち着きを感じてしまうことになりやすいのです。
もちろん抜毛症をそのままにしておくと、抜毛した箇所がハゲてしまったり、力強く毛を引っ張ることで頭皮に炎症がおきてしまうことがあります。
また、症状が長引けば長引くほど自力でなおすことが難しくなります。
そのため、幼少期に発症した抜毛が大人になるまでずっと続いてしまっている方もおられます。
では、実際に抜毛症になってしまったと感じた場合、どのように治療していけばいいのでしょうか?
【抜毛症の対策と治療】
『抜毛症』は上にも書いたように、一見、脱毛や抜け毛の症状に見えるのですが、皮膚科ではなく精神科の専門になります。(円形脱毛症の方は皮膚科になります)
症状の進行具合が医師により治療方法は異なるようですが、カウンセリングなどの心理療法から、脳内環境を調整するための薬物治療などがあるようです。
また、つい髪の毛を抜いてしまうという癖があるものの、
「病院にいくほどではない」という方は”髪が抜けにくい状態”を作ることが大切です。
髪がすぐに抜けないと、無意識のうちにやってしまう行為に気が付きやすくなります!
髪の毛を抜きにくくする対策
- 家でも帽子を被る
- エクステをつける
- 髪を1つに束ねる
- 手袋をはめる
- 爪を短くする
など毛を簡単に抜けない状況、無意識で抜こうとしてしまった時に、気付きやすくなるような状態を作ることが有効です。
そしてお聞きするとほとんどの方は、
1人でいる時に、
抜毛してしまうことが多いようです。
なので家族などと住まれている方であれば、出来る限りみんなのいるリビングなどで長い時間を過ごしたり、
休みの日は出来る限り外に出かけて友人などと遊ぶように心がけるといいでしょう。
つまり、1人で自分の部屋で過ごす時間を減らすのです。そうすることでぼーっと考えてごとをしてしまう時間を減らしたり、
家族友人と過ごすことでストレスなども減らすことにより、抜毛する機会を減らしてあげることが大切です。
まとめ
以上のように『抜毛症』は精神的な側面が強いため、中にはうつ病や神経症など心の病気と一緒に発症してしまう人もいるようです。
ストレスが多い生活や、人間関係に悩んでいるという人は、このクセを持っていたら要注意です。悪化する前に、早めに治療を始めましょう。
ただし抜毛症の改善に焦りは禁物です。
長く続いた癖をなおすことは、簡単なことではありません。ゆっくり時間をかけて克服していきましょう。
逆にプレッシャーになったり、嫌悪感をつのらせたり、それがストレスとなり、悪化してしまう場合があるので、温かく支援してあげるのがよいでしょう。
とはいえ、周囲の人の理解や協力が得られなかったり、抜毛の原因となっているストレスが複雑すぎたり・・・
どんどん悪化してしまい、抜毛症を自分の力で克服することが難しいケースもあると思います。
そんな時こそお医者さんに相談してみましょう!
やはり専門家であるお医者さまに話を聞いてもらうことで、何かしらの気づきがあったり、自分自身を見つめ直すきっかけになることもあります。
抜毛症の中には、やはり病院での受診がきっかけで改善に向かった方が多いようです。
『抜毛症』は、短期間に治るものではなく時間をかけながら改善に向かうケースがほとんどです。
抜毛症の克服・改善に大切なことは、本人も周りの人も早くなおそうと決して焦りすぎないこと。
そして、必ず改善できると信じること、改善したいと思うことが大切です!
僕も直接、抜毛箇所を治療したりすることはできませんが、お話を聞かせてもらったり、今の状態で出来るヘアスタイルなどのご提案はさせていただきますので、
もし抜毛症で悩まれ美容院に行きづらくなっているようであればぜひ1度ご相談ください。
ではでは。
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あっくん★
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