どーもー!
髪と頭皮のことを真剣に考える美容師あっくんです。
ホームページやブログ、クーポンサイト、チラシなど美容師さんなら何かしらの広告を打っていることだと思いますし、
お客様にとってもそういうものを見て興味がわき新しい美容室に来店したり、新しいヘアケア製品を購入することが多いと思いますが、
そんな広告で書かれる表現について知っておくといいことが、yahoo!ニュースに出ていましたので今回ご紹介したいと思います。
〔もくじ〕
「美容師の○○さんが推薦します!」は有り? 無し? ヘアケア化粧品の広告表現に関する注意点
頭皮や毛髪に関する商品は「化粧品」「医薬部外品」「医薬品」と様々なのですが、
この記事では最も身近な「化粧品」に分類されるヘアケア商品の広告表現についてまとめられていましたので見ていきたいと思います。
ヘアケア化粧品で標ぼうできる範囲とは?
化粧品に分類されるシャンプー、コンディショナー、その他ヘアケア剤において、標ぼう可能な効能効果は下記の通りです。
(1)頭皮、毛髪を清浄にする
(2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える
(3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ
(4)毛髪にはり、こしを与える
(5)頭皮、毛髪にうるおいを与える
(6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ
(7)毛髪をしなやかにする
(8)クシどおりをよくする
(9)毛髪のつやを保つ
(10)毛髪につやを与える
(11)フケ、カユミがとれる
(12)フケ、カユミを抑える
(13)毛髪の水分、油分を補い保つ
(14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ
(15)髪型を整え、保持する
(16)毛髪の帯電を防止する上記以外に素肌のメーキャップ効果と同様、
・ワックスのような髪を固める作用
・ヘアマニキュアのように髪表面を着色する(洗浄と共に徐々に色落ちする)
・そしてUVカットするスプレー(物理的にUVを遮断する効果)など、物理的な作用も標ぼう可能です。
ふむふむ、この辺りはシャンプートリートメントなどヘアケア製品に普通に書かれているようなことですね。
書いてくれていることで商品の特徴がよくわかります。
ここから少しややこしくなります。
■ 「頭皮にハリを与える」は不可
注意したいのが「(4)毛髪にはり、こしを与える」という表現です。
スキンケアの場合は「肌にハリを与える」という効果が標ぼう可能ですが、ヘアケア製品においては「【毛髪】にハリを与える」が標ぼう範囲となります。
したがって「【頭皮】にハリを与える」ことに関しては想定されておらず、「頭皮にハリを与える」は効能効果を逸脱した表現とみなされます。
■ 「血行促進」には一工夫を
また「抜け毛の予防」「頭皮の血行促進」は、その効果効能に対して承認を受けた医薬部外品等であれば標ぼう可能ですが、一般的な化粧品では標ぼうできません。
許可を得ていない場合で、「血行促進」ということを表現する必要がある場合には、自身による洗髪行為の一環として、
「頭皮を(自身で)よくマッサージすることにより、血行を促進してあげましょう。」
というように、「商品や含有成分により血行促進が促されるものではない」とはっきりとわかる形にする必要があります。
その基本をしっかりと押さえておけば、頭皮マッサージの方法等を図説で入れ、「血行促進」の言葉を視覚的に印象づけることも可能でしょう。
そうなんです、頭皮へと毛髪での表現で使っていいものとダメなものがあります。
そして効能が正式に認められている「医薬部外品」「医薬品」では表現可能ですが、「化粧品」では使用出来ない表現がたくさんあります。
“血行促進“とかって気軽に使っちゃってる感じがありますが実はダメなんです。
で、ここからさらに気になるダメージヘアなどに対する表現についてです。
『髪質改善』はアウト?ダメージヘアへの表現
■ 「ダメージヘアを修復」はOK?
次に、ダメージヘアのケアに関する表現について解説します。
ヘアケア製品でよく「ダメージを補修」という表現が見られます。毛髪損傷等の物理的な「補修」表現は事実であれば標ぼう可能ですが、「修復」のような治療的回復表現は不可とされています。
● ● 不適切な例
× 「傷んだ髪を修復」
× 「ダメージヘアを再生」
× 「傷んだ髪が回復」
× 「健康な髪が甦る」
× 「本質から髪質改善 」● ● 表現可能な例
○ 「傷んだ髪に」
○ 「傷んだ髪(ダメージヘア)用」
○ 「ダメージケア(潤い補給)」
○ 「髪を補復して髪の質感を整える」表現がよく似ているので注意しましょう。
おーっと!ここで最近特に増えてきている、
『髪質改善』のフレーズが不適切な例に入ってきています!!Σ(-᷅_-᷄๑)
現在この「髪質改善」の表現を使っている美容師さんはめちゃくちゃ多いと思うのですがどうなんでしょう?(僕も使ってますし)
「医薬部外品」を用いた縮毛矯正メニューならオッケー?
逆に「化粧品」を用いたトリートメントメニューならアウトになるのでしょうか?(詳しい方教えてくださいw)
そもそも何をもって髪質を改善って言えるのか確かに不透明な気もします。
そう思っていたらこんなブログや動画を見つけました!
これを読むと、
これまでに消費者庁に「髪質改善」という言葉でサービスを受けた消費者から苦情やクレームはないそうです。
苦情、クレームが出れば是正の対象にはなるかと思いますが、現状は髪質改善という言葉は禁止にはなり得ません。
との回答の様ですので、
あまりに誤解を招く、”生えてくる髪質が変わる”とか”傷んだ髪の毛が生えてきた状態に戻る”とかの表現を用いなければ、現状問題無さそうです。
あと、傷んだ髪を補う意味合いの「補修」はオッケーだけど、治す意味合いの「修復」はアウトだと言うことも知っておく方がいいですね。
さらに、
■ 「髪の内部へ浸透」は標ぼう可能
ダメージヘアの補修表現において、「髪の内部に美容成分が浸透」という表現もよく見られます。
肌の場合、「浸透は角質層まで」と範囲が決められていますが、毛髪の場合は、日本化粧品工業連合会発行の『化粧品等の適正広告ガイドライン2017年版』で「髪の内部へ浸透」という表現は可能とされています。そのため、事実として髪の内部に浸透するのであれば、表現可と判断できます。
ただし、ここにも注意点があります。髪の表面を「キューティクル」、その内側を「コルテックス」、中心部を「メデュラ」と言いますが、キューティクルについては補修効果をベースに使用可能ですが、コルテックス、メデュラという用語を使用するのは避け、あくまでも「髪の内部」に留めることをおすすめします。詳しくは下記をお読みください。
● ● 参考
・ 毛髪のケア商品でよく使われる「浸透」という表現。注意すべきは「範囲」
よくトリートメントなどの説明で使われる「髪の内部に栄養を浸透させる」みたいな表現はギリギリセーフのようですね!
ただしあまり範囲を指定しないで曖昧にしておく方が無難です。
(実際どこまで浸透しているのか見えていませんしねw)
一般の方はこちらの記事も参加になると思います。
そして最後は美容師による推薦の表現です。
美容師による推薦
最後は美容師からの推薦表現についてです。 『医薬品等適正広告基準』には下記のように記載されています。
10 医薬関係者等の推せん
医薬関係者、理容師、美容師、病院、診療所、薬局、その他医薬品等の効能効果等に関し、世人の認識に相当の影響を与える公務所、学校又は学会を含む団体が指定し、公認し、推せんし、指導し、又は選用している等の広告を行ってはならない。
ただし、公衆衛生の維持増進のため公務所又はこれに準ずるものが指定等をしている事実を広告することが必要な場合等特別の場合はこの限りでない。
<共通>
(1)医薬関係者の推せんについて
本項は、医薬品等の推せん広告等は、一般消費者の医薬品等に係る認識に与える影響が大きいことに鑑み、一定の場合を除き、例え事実であったとしても不適当とする趣旨である。「公認」には、法による承認及び許可等も含まれる。
また、「特別の場合」とは、市町村がそ族昆虫駆除事業を行うに際して特定の殺虫剤等の使用を住民に推せんする場合である。なお、本項は美容師等が店頭販売において化粧品の使用方法の実演を行う場合等を禁止する趣旨ではない。
(2)推せん等の行為が事実でない場合について
推せん等の行為が事実でない場合は、法第 66 条第2項に抵触する。
~以下略~
ヘアケア関連の商品であれば、有名美容師さんなどを起用し、商品を推薦するような広告を作りたい所ですが、
この 『医薬品等適正広告基準』によると
医師をはじめ美容師、理容師等による推薦そのものを禁止しているそうです。
これも解釈が難しいのですが、
とあるメーカーが『このシャンプーはあのカリスマ美容師○○さんもオススメしています!』
という広告はアウトなのだと思いますが、
美容師が個人的に『このシャンプーオススメで』す!
っていうのはセーフなのでしょうか?
(特にブログなんてそんなのばっかりですからねぇ)
と思っていたら詳しく解説されている方がいました。
この辺りを見て参考にしたいと思います。
まとめ
とにかく美容関連の表現は美容師にとっても消費者の方にとってもややこしくなっているというのがわかります。
化粧品・医薬部外品・医薬品によっても違いますし、
どこまでが広告としてみなされるのかも難しいところです。
お客様からの目を惹かせるために、ついつい過剰な表現になりがちですが、認められている範囲内での表現にとどめておかないと、後からよりめんどくさいことにもなりかねないということですね。
僕も気をつけていきたいと思います。
そして、お客様も広告による過剰な表現に騙されないように気をつけてくださいね。
ではでは。
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