どーもー!
髪と頭皮のことを真剣に考える美容師あっくんです。
ついにDEMI(デミ)さんから噂の新規染料「グロス染料」を使用した『ル・ポリサージュ』が発売されました!
すでにたくさんの美容師さんがこの『ル ポリサージュ』についてご紹介していますが、
正直メーカーの人が言うことやパンフに書いてあることくらいしか情報が無さそうなので、
僕の情報網とコネを最大限に利用して得た情報を元に、
これまで他の美容師さんが書いていないところまで突っ込んだ内容で解説していきたいと思います!
〔もくじ〕
Le POLISSAGE(ル ポリサージュ)とは?
今回DEMIさんから発売された「ル ポリサージュ」とは、
世界初の新規染毛料『グロス染料』を配合したこれまでにない全く新しいヘアカラーです。
つまり、現在世に出ているヘアカラー(酸化染料)や、ヘアマニキュア(酸性染料)、HC・塩基性カラーなどとは全く違う新しい染料を採用しているということです。
まずはこの『グロス染料』とはいったいどういう染料なのでしょうか?
新規染毛料『グロス染料』とは?
このグロス染料の存在は今年の7月に飛び込んできたニュースで知り、その時にこちらに書きました。
この「グロス染料」とは、
酸化染料の酸化重合体(二量体)だそうで、
酸化染毛剤の1剤(ジアミン)と2剤(過酸化水素)を混ぜて発色(酸化重合)させ、
とことん酸化反応させ、
その中の不純物を取り除き、
その残った染料が『グロス染料』となります。
酸化重合前の酸化染料は分子量が小さく皮膚に入り込みやすいために、皮膚のタンパク質に結合しアレルギーを引き起こす原因だと言われています。
このグロス染料は分子量が大きいために皮膚に入り込みにくくアレルギーを起こしにくいとのこと。
そのためにジアミンアレルギーの方でも染められる、アレルギーのリスクを大幅に低減できるというわけですね。
酸化重合を終えた染料?
上に書いたように、そもそもグロス染料の仕組みとして、
“酸化染料剤(ジアミン)を混ぜ合わせて発色させたもの“であるために、
それがジアミン染料でないとしても、ジアミンに近い(変化したもの)が入っているということになりますので、
ジアミンアレルギーの方には反応を示す危険性があるのではないかと推測します。
酸化重合を終えたジアミンにはアレルギー性がほとんど無いとも言われますが、
ジアミンアレルギーの方はカップやハケに微量に残ったジアミン染料にもアレルギー反応をしてしまう方もおられます。
なのでこのグロス染料もジアミンアレルギーの方にも”絶対に安心だ”と言い切ってしまうには不安が残ります。
もちろんジアミンと比べるとアレルギーリスクは微々たるものかもしれませんが、このグロス染料だけでなく、他の安心と呼ばれている染料や成分なんかも含めて、
「絶対安心!」と呼べるものは無いと肝に念じておくことがトラブルを防ぐために大切だと思います。
ル ポリサージュの特徴について
ではここからはグロス染料を配合した「ル ポリサージュ」商品そのものの特徴を見ていきましょう。
デミさんが打ち出しているル ポリサージュの特徴はこちらの3つです。
- ツヤ感のある発色
- 3つのフリー
- 髪と頭皮をケア
ということになっています。
①ツヤ感のある発色
新規染料『グロス染料』がキューティクル層付近に染着。
髪に自然なツヤを表現。②3つのフリー
「ジアミンフリー」
「アルカリフリー」
「過酸化水素フリー」③髪と頭皮をケア
毛髪補修成分や頭皮ケア成分配合。美しく健やかな髪と頭皮へ。
僕も実際にこのル ポリサージュのセミナーにも参加させていただきましたが、
やはり強くアピールされていたのは「ツヤ」と「3つのフリー」による頭皮や髪への「安全性」だということでした。
こういった特徴を踏まえつつ、「ル ポリサージュ」「グロス染料」の秘密につい詳しく見ていきましょう。
どんな商品ラインナップ?
商品としては通常のヘアカラーのように1剤(ティント)と2剤(コントロール)を(1:4)の割合で混ぜるタイプのカラー剤になります。
使用する前に混ぜるといっても2剤は普通のヘアカラーに使われる過酸化水素とは全く違います(この2剤の正体はこの後に書きます)
カラー剤の分類としてもヘアマニキュアやカラートリートメントと同じ化粧品分類となります。
それでは実際に染まる仕組みや配合されている成分などが気になりますよね。
ル ポリサージュの染まる仕組みとその秘密
1剤(ティント)の成分と仕組み
化粧品分類(毛髪染毛料)
1剤のpHは6〜7くらい
グロス染毛は疎水性(水が苦手)
分子量は酸化染料より大きめ、酸性染料や塩基性染料より小さめ
C(クリア)ラインの染料濃度はカラーの8レベル相当。Lは7レベル、Mは6レベル
1剤の表示されている成分表示を見ると、
カラー剤や成分に詳しい人ほど、「これ本当に全成分表示してる?」ってなるくらいシンプルです。
同じデミさんのカラー剤と比べると、
全然違う。。
水を始め界面活性剤なんかも全く見当たらないので、これでクリーム状になってるのおかしくない?
なんか書かれていない成分とか本当はあるんじゃないの!?(化粧品はパッケージに全成分表示義務があります。)
なので賢い人に聞いたり、自分なりに色々と調べてみると、
ル ポリサージュの成分に書かれている「硫酸Na」に「塩化Na」を混ぜると、ドロっとした感触がつくられるという特徴があるようで、
それはシャンプーの粘性を出すためによく利用されている組み合わせのようですね。
これに加えジメチコンなんかの油性成分が混じりクリーム状(普通のカラー剤よりオイルっぽい質感)になっているようです。
グロス染料は水を嫌う性質のために水などを配合すると安定性が悪いということが予想されます。
これが1剤の成分表示とあのオイルっぽい質感の正体というわけですね。
グロス染料ってHC染料なの?
そして、成分表見たときに世界初の『グロス染料』って言ってときながら、
「ただのHC染料やんけ!」と思った方もおられるかもしれませんが、
これは間違いでも、ただのHC染料だということではなく、
グロス染料は成分表示でいうとHC染料の分類になるということです。
なのでこれまではHC染料と言えば電気的性質を持たない分子量の小さい染料という認識でしたが、今後はHC染料の表示だけではどんな染料なのかわからなくなってくる可能性が大いにあります。全ての番号を覚えておく必要があります(こりゃ大変)
ということで、
- HC橙7
- HC青19
- HC紫3
- HC黄18
のこれらが『グロス染料』と呼ばれる染料の表示名だということです!_φ(・_・
ただHC黄4というのが含まれているものもありますが、これは普通のHC染料ですw
つまりル ポリサージュには普通のHC染料も一部配合されているんですねwww
2剤(コントロール)の成分と仕組み
化粧品分類のヘアトリートメント
グロス染料を髪に浸透・染着させるための過酸化水素フリーのケア剤
ティントと1:4で混ぜて使用
独自の浸透拡散成分
このコントロールの特徴といたしましては「水分」が多いそうです。
このコントロールをティントと混ぜて
濡らした髪につけると疎水性を利用して水が苦手なグロス染料が髪にくっつくという。
というのがデミさんのル ポリサージュの染まるメカニズム。
うん、なんかとてもボヤッとした説明。。
これだけでは、ル ポリサージュ染着の仕組みやこの2剤の効果の正体がよくわかっていない美容師さんも多いのではないでしょうか?
そのあたり詳しく書いていきましょう。
ル ポリサージュが髪の毛に染まる本当の仕組み
まず疎水性を利用しているということで、ティントとコントロールと混ぜ合わせた状態で濡れた髪(水分がある状態)に塗布すると、水分が大嫌いなグロス染料は水の無いところ、つまり疎水結合を利用して髪の毛にくっ付こうとするために染まるということです。
なので髪の毛はたっぷり濡れている方が染まりはよくなるでしょう。
ただ、そんな反応だけではちゃんと染まるの?すぐ色落ちするんじゃないって思いますよね?
なので染着のメカニズムを探るために、コントロールの成分表をよく見ていきます。
すると!
「ベンジルアルコール」の文字が!
あれ?!これって?
そうヘアマニキュアの染着・浸透のために配合されているアルコールです!
上の記事のヘアマニキュアの染着のメカニズムを読んでもらえるとわかるように、
ヘアマニキュアはイオン結合を利用しているといいながらも、本当に染めているのはこの「ベンジルアルコール」つまりアルコールの力です。
ヘアマニキュアもイオン結合は弱い結合なので、アルコールの力を使って髪の毛に染料が付着するようにしているのですね!
あれれ、
ということは、、、
このル ポリサージュも、
“疎水結合”の力では染着が弱いので”ベンジルアルコール”を使っている!?
つまり染まるメカニズムはヘアマニキュアと同じだった!(爆)
塗り心地もまるでヘアマニキュアのようだとおっしゃっていた美容師さん大正解です(笑)
地肌から塗布できるヘアマニキュアという認識になります。
そうなるとル ポリサージュの特徴の一つである
『艶』
の秘密もわかりましたね。ヘアマニキュアですからツヤ出ますw
さらに具体的に言っちゃうと、
主成分『ジメチコン』ですからね!
一部の美容師さんや一般の方に嫌われているあの被膜成分「シリコン」ですwww
さらに、コントロールの主成分も、
「水、セタノール」だし、
ティントと混ぜ合わすと、
[水×セタノール×ジメチコン]
この組み合わせって、、
よくあるトリートメントの組み合わせですね(笑)
トリートメントに加え油性染料(グロス染料)を髪の毛の表面にアルコールの力を用いて浸透させ、キューティクルをコーティングすることでツヤツヤになる♪
つまりこれがル ポリサージュの「艶」の秘密というわけですね。
ということで、
サンプルや使用したものの、なんとなく使い方のイメージがわかなかった美容師さんもこれで「ル ポリサージュ」がどんなカラー剤だというものかイメージがしやすくなったのではないでしょうか。
美容師さんの中には、
- ジアミンフリー
- アルカリフリー
- 過酸化水素フリー
の「スリーF(エフ)すげー!」
ジアミンアレルギーの方でも絶対大丈夫!
髪の毛を傷める原因が”全く”ない!
な〜んて言ってる人もおられますが(どこまで本気で思っているかはわかんないけど)、
昔ながらのヘアマニキュアはもともとスリーFです(笑)
そのヘアマニキュアだって髪の毛を傷めます。
(2回目w頑張って書いたので読んでね)
その同じ様な仕組みのル ポリサージュも全く髪を傷めないということはありません。
(もちろん普通のヘアカラーに比べると格段に傷めにくいです)
そして「グロス染料」はジアミン染料を反応させ終わった染料です。
安全性も比較的高いと思いますが、ジアミンアレルギーの方に対して絶対に安心と言えるものではないと思います。
白髪染めには使える?
そして、ジアミンアレルギーの方やそれに対する美容師さんが期待していた、このル ポリサージュが『白髪染め』に使えるのかという疑問ですが、
今のところちょっと厳しそう( ̄∇ ̄)
デミさんも”白髪ぼかし”くらいでとおっしゃってますww
僕もこのル ポリサージュの有効的な使い方を模索しているのですが、
今のところ、低ダメージで毛先の色味補充とかダブルカラーの2回目で使うとかくらいしか思いつかないです。
ただ色持ちはそれ程とは聞いているのですが、色の落ち方が色調がブレずに落ちるのでキレイみたいです。
ただ、
「白髪染めには使えないのか〜」
と思ってしまわれたジアミンアレルギーの方、美容師さんの方にも朗報のニュースがあります!
なんと、僕の聞いた裏事情では、
この後、白髪染めに対応した暗めの色が発売するとのこと!
(既に開発は完成してるとか??)
このカラーチャートの1番暗い色名が「M」ラインってところが僕も最初から不思議だったんですよねー!
何やらすでにその白髪染めラインは既に完成しているとのこと。。(となるとDラインの名称が濃厚ですねw)
後はDEMIさんがいつ発売するのか楽しみに待ちたいと思います!
まとめ
グロス染料やル ポリサージュについて結構厳しめに書いた記事になりましたが、
DEMIさんが総力あげてこの新規染毛料の『グロス染料』そして『ル ポリサージュ』を開発したことはとても凄いことだと思っています。
現状の使い道は模索中ですが(ちょっと発売焦りました?w)まだまだ可能性がある染料だと思うんですよね。
DEMIさんのさらなる研究と改良に期待して、
将来的にお客様の状態や要望に合わせて、
酸化染料・酸性染料・塩基性染料・グロス染料を使い分けれるような毛髪染料の1つとなって欲しいですね。
ではでは。
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あっくん★
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