『チオグリコール酸システアミン』で縮毛矯正!新還元剤の特徴と感想

 

どーもー!

大阪で髪や頭皮のことを真剣に考える美容師あっくんです。

 

一般の方には馴染みのない「還元剤」という言葉ですが、

還元剤というのは、いわゆるパーマ液の1液に含まれている成分で、髪の毛にあるシスチン結合(髪のタンパク質に存在する4つの結合の一つ)を切断する薬剤のことです。

この還元剤が入っている事により、髪の毛の形状を曲げたり、まっすぐにしたりする事が可能になる為に、
普通のパーマを始め、デジタルパーマ、ストレートパーマ、縮毛矯正、あらゆるパーマ液の中に必ず入っている成分です。

 

この「還元剤」にも種類があり、

昔は、チオグリコール酸アンモニウム(通称チオ)とシステイン(通称シス)の2種類だったものの、

2000年に行われた化粧品成分の緩和以降、

システアミン、ラクトンチオール、GMT、チオグリセリンなど、、

様々な種類の還元剤が使える様になり、メーカーも様々なパーマ液を開発し、

バリエーションも増えそれぞれ特徴が違うために、僕ら美容師も様々な髪質やダメージのある髪の毛にも対応しやすくなりました。

 

そんな中、この2020年の6月に新しい還元剤が認可されました!

 

新還元剤『チオグリコール酸システアミン』

それが「チオグリコール酸システアミン」です!

強酸性のチオグリコール酸と強アルカリ性のシステアミンの2つの還元剤を分子結合させた中性域の還元剤です。

臭いの原因となるシステアミンの末端にあるNH2が、チオグリコール酸とシステアミンが分子結合することで分子の中間でNHになるため臭いの発生が大幅に低減しました。

1つの分子でチオグリコール酸とシステアミンの2つのSH(還元基)を持つデザイン性に優れた還元剤です。

あのチオとシスアミがくっついているという美容師さんなら名前を聞いただけでワクワク(!?)してしまいそうな還元剤です!!

あっくん
えっ!?僕だけwww

 

チオグリコール酸アンモニウム

通称チオと呼ばれる「チオグリコール酸アンモニウム」は、

本来「酸性」であるチオグリコール酸のままでは還元力がほとんどない為に、強アルカリである「アンモニア(NH4)」をくっつけて、使いやすい中性に調整した成分です。

チオの特徴としては、

  • 昔から使用されている還元剤で安全性・安定性が高い。
  • しっかりとしたカールを形成してくれる
  • 髪の親水部に作用しやすい
  • アルカリ性で作用しやすい(pH8〜9)
  • 酸性ではほとんど作用しない

 

システアミンHCI

通称、システアミンやシスアミと呼ばれている「システアミンHCI」は、

本来「アルカリ性」であるシステアミンのままでは作用が強過ぎる為に、塩酸(HCI)をくっつけて、使いやすい中性に調整した成分です。

システアミンの特徴としては、

  • 化粧品分類で使用できる還元剤
  • しっかりとしたカールを形成してくれる
  • 毛髪の損傷が少ない
  • 髪の疎水部に作用しやすい
  • チオより幅広いpHで作用してくれる(pH6〜9)
  • 髪の毛に独特の臭いが残りやすい
  • 感作性がある

 

この様に従来のチオやシステアミンなどの還元剤はアンモニアや塩酸などでpH調整済みの成分がパーマ液に配合されています。

それを濃度を調整したりさらにアルカリ剤を加減して、髪質などに合わせた使いやすいバランスに仕上げたものが通常のパーマ剤というわけです。

 

しかし今回の「チオグリコール酸システアミン」は、pH調整剤を使わないで、

酸性である「チオグリコール酸」とアルカリ性である「システアミン」を直接くっつけてしまう事で、中性にした新しい還元剤となります。

これにより、システアミンの欠点であるパーマ後の臭いの原因と言われている末端の「アミノ基(NH2)」が、
チオグリコール酸と結合する事で、NHとなり分子の中間で取り込まれる事により臭いの発生が減る事になりました。(感作性も減ると考えられます)

アミノ基〘名〙 (アミノはamino) 第一アミンやアミノ酸に含まれる基。記号 -NH2 これをもつ化合物(アミノ化合物)は一般に水に溶けにくく、特有のにおいがある。

これまで、チオとシステアミンが両方配合されているパーマ液というのはたくさんありましたが、

今回の「チオグリコール酸システアミン」はただ2つの還元剤を混ぜただけでなく、1つの還元剤として合体していることでこれまでと違った特徴があると考えられます。

 

「チオグリコール酸システアミン」のメリット・デメリット

では、チオとシスアミがくっつくと臭いが少なくなるという事はお客様にとって大きなメリットであるものの、

美容師的には他にはメリットがないのか?となりますが、

大きな特徴として、チオとシスアミがくっつく事で、これまでの還元剤では1つしか持っていなかった「SH(チオール)基」を2つ持つ事になりました!

SH基」とは、髪のシスチン結合を切る為に必要なものです。

これまでの還元剤はこのSH基を1つしか持っていませんでしたが、この「チオグリコール酸システアミン」は2つ持つ事になり、これはこれまでの還元剤で初めての事になります!

この2つ持つという事がパーマ液としてどういう結果になるのかは僕はまだわかっていませんが、

単純に言うと一つの成分でシスチン結合を切るところを2つ持っているという事になります。

そうすると、これまでの還元剤より少ない配合量でパーマをかけれたり、くせ毛を伸ばしたりすることが可能になっているかもしれません。

きっちりと酸化させる事でとれにくいパーマなんて事も??

あっくん
こんな妄想が広がるところがこの還元剤がワクワクさせてくれる理由ですね♪

 

さらに、チオは髪のタンパク質の親水部のシスチン結合を切ると言われいて、シスアミは疎水部のシスチン結合を切ると言われています。

このチオグリコール酸システアミンは、一つで親水部、疎水部の両方に作用するのか?はたまた?

1番活性化して作用するpHはどのくらいなのか?(pka)

酸化処理後はどの様なカタチで残るのか?

 

1つもしかするとデメリットになるかもしれないと思ったのは、

チオとシスアミがくっ付く事で分子量が大きくなってしまっているという事です。

チオグリコール酸 分子量92

システアミン 分子量77

チオグリコール酸システアミン 分子量167

(スピエラなどの例外もありますが)分子量が大きくなるという事は、髪の毛に入りにくくなり、入れるとなると髪の毛のキューティクルを開く必要があるので多くのアルカリ剤を必要とする事になります。

アルカリ剤が多く入るという事はダメージの原因となりうるので注意する必要があります。(シスよりも大きい)

 

他にも色々と妄想は広がりますが、、

あっくん
これから僕よりも100倍頭の良い美容師さんやメーカーの人達がこの「チオグリコール酸システアミン」の特徴や作用について研究してくれると思うので、この疑問は少しずつ解明していくと思いますw

もうすでに詳しく知っているぜ!って方もおられるのかも知れませんが、また色々とわかってきた時はこのブログでも報告しますね♪

 

そして、さっそくこの「チオグリコール酸システアミン」を配合したパーマ液が発売されました!

それが、

「MARVELIC EXCELLENT DESIGN TREATMENT」

こちらがハシモトコスメティックさんから発売された「マーベリックエクセレント デザイントリートメント

還元剤にチオグリコール酸システアミンを配合した化粧品分類のカーリング料です。

こちらをいち早く入手しましたので、さっそくスタッフの髪でテストしていきたいと思います!

 

モデル Before

もともとストレートな髪質であったものの、年齢や出産などを境にいつの間にかくせ毛が出てきたスタッフです。

こういったお悩みはお客様からもよく聞いたりします。

 

バックの内側が特にくせが強くなり、久しぶりに短いヘアスタイルにしたら本人も思ってた以上にくせ毛が出て、

毎日ストレートアイロンしていたという事だったのでちょうどいいタイミングという事でモデルになってもらいました笑

 

まずはシャンプーします。

濡らすとクセがそれなりに出ているのがわかります。

そのまま乾かすと広がり頭が大きく見えるのがお悩みのようです。

 

 

こういうハネル内側のクセと、乾くと広がってくるクセが、チオグリコール酸システアミンを配合された「マーベリックエクセレント」を使った縮毛矯正で、どれだけ収める事が出来るのか試してみたいと思います。

 

髪質データ
  • 毛量 やや多め
  • 毛質 普通
  • バック特に内側耳後ろに癖あり
  • 乾くと広がる
  • ダメージは少なめ

 

使用薬剤and施術工程

今回のマーベリックエクセレント「デザイントリートメント」の薬剤スペックはこんな感じです。

ハードタイプ(1H)で、

還元剤 4.9%
アルカリ度 2.2ml
pH8.4

となっておりハードタイプとしては比較的低めのスペックです。

一般的なチオ系縮毛矯正剤のハードタイプは、

還元剤 10%
アルカリ度 6ml
pH9.0

みたいなスペックですのでそのまま見ると、マーベリックエクセレントの「1H」はかなり弱いという事がわかります。(例えるならコールドパーマのノーマルくらいのスペックです)

このまま使っても、もしかするとくせ毛は伸びにくい?みたいな印象ではあるのですが、

「チオグリコール酸システアミン」というSH基が2つある事での還元力の高さや作用する力が強いかもしれませんので、今回はシンプルにそのまま使用したいと思います。

 

①前処理無し、

②根元〜中間までを「1H」を塗布、自然20分

(薬を出した時のパーマ液臭は一般的な薬剤と同程度ある様に思いました)

 

③そのまま連続ではずしていた表面の毛先に「1N」を、

こちらは液体なので、スポイトに入れるか泡になる容器に入れて使うようです。

毛先は少しダメージがあるのと、毛先がまっすぐになり過ぎなくてよいので「1N」にしました。

タイムの20分が経ったら水洗、

1剤を流した時の質感はかなりツルツルしてて良かったです。

 

④水洗後、シャンプーでバブリングして軽く中間処理

⑤そのままドライしてデンマンブロー、完全ドライ、180度でアイロン

(システアミンを含む矯正剤でアイロンすると、抜けた蒸気から結構独特の臭いが発生しますが、あまり気になりませんでした)

 

⑥付属の2剤は液体ブロムでしたが、僕は矯正にブロム使う事はないのでクリーム状の過水2%で7〜8分放置

⑦水洗して、バッファー処理、普通のトリートメント

あっくん
濡れた状態での髪の毛の臭いはかなり抑えられていました

 

⑧そのまま、どのくらいの仕上がりになるか知りたかったので、アウトバストリートメント無し、ハンドブローのみで仕上げです。

 

After 仕上がり

おおー! 縮毛矯正だけど自然な仕上がりになりましたー!(≧∇≦)

まっすぐ過ぎないナチュラルな仕上がりです。

ブラシなど使わないでハンドブローだけでおさまるちょうど良い感じに仕上がりました♪

 

 

内側の強めのクセのところも綺麗に伸びました。

還元剤の量やアルカリが抑えられているため通常のアルカリチオの薬剤で縮毛矯正したときより髪の毛の弾力を残しながらも、ちゃんとクセが伸びたと思います。

これはチオよりシスアミの良いところが出ているのかなと感じました。

 

質感に関しては前後中間処理を加えればより上がると思いますし、

もう少しクセが強い方であれば、他のハードタイプと混ぜたり、

GMTやスピエラを混ぜて酸性〜中性矯正に調整した使い方なども出来そうです。

こういった事は何度か使ってみて仕上がりを確かめたり、チオグリコール酸システアミンの特徴がわかってくる事でより使い方も整理させてくると思います。

 

まとめ

今回ご紹介させていただいた還元剤「チオグリコール酸システアミン」は2020年に認可されたばかりの新しい還元剤です。

これまでの「チオグリコール酸」と「システアミン」という使いやすい二つの還元剤を合体させる事でこれまでにない還元剤が登場しました。

今わかる「チオグリコール酸システアミン」の特徴は、

  • 臭いが少ない
  • 感作性(アレルギー性)が少ない
  • 分子量が少し大きい
  • 2つのSH基を持つ

といったところです。

今回僕はチオグリコール酸システアミンを配合「マーベリックエクセレント デザイントリートメント 」の薬剤を縮毛矯正として使わせていただきましたが、

低めのスペックでありながらある程度くせ毛が伸びた事で、少ない量でもしっかりと還元力を持った成分ではないかと感じました。

 

もちろん他にコールドパーマやデジパなどで使うとまた違った感想になるかもしれませんし、

今後他のメーカーがこのチオグリコール酸システアミンを配合した商品を出してきた時に違った印象を受けるかもしれません。

 

これまでシステアミンやスピエラなどが出た時や、最近であれば酸熱など新しい成分が出たときは、どうしても良い情報、悪い情報が入り乱れますが、

この「チオグリコール酸システアミン」も美容師さんやメーカーさんなど業界みんなで良いところを引き出して、より良い仕事ができお客様に喜んでいただけるようなものになればいいと思っています。

あっくん
僕も色々と検証するので何かわかればぜひ教えてください

 

ではでは。

 

 

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あっくん★

スタイリストART FOR ART`S
大阪、京阪千林駅すぐ、ART FOR ART`S千林店で美容師をしている、あっくんこと小野敦之(オノアツシ)です! ヘアケア・ヘアスタイル・美容に関わる正しくて為になる情報を楽しく発信しています。 特に髪の毛の傷みや、ヘアカラーにおけるアレルギーやかゆみなどの知識・経験においては同業者や美容メーカーからも厚い信頼をいただいき、ノンジアミンカラー「NODIA(ノジア)」をプロデュース。全国でセミナー開催し好評を得る。

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