どーもー!
髪と頭皮のことを真剣に考える美容師あっくんです。
セルフで染めたり、色んな美容室で染めたりされている方は髪の毛の履歴が複雑になり、
これまでにどんなヘアカラーで染めているのかわからなくなっている方を、初めて担当する場合に、
美容師はとても苦労したり、予想だにしない髪色になってしまって困ってしまう事があります。
そんな時、
なんて思ったりするのですが、、
そんな事が現実になるかもしれません!?!?
〔もくじ〕
残された毛髪1本からヘアカラーリング製品をその場で識別 東京理科大学
東京理科大学工学部の国村伸祐准教授と同学大学院工学研究科修士課程2年生の堀口桃菜さんが、染色に用いられたヘアカラーリング製品を毛髪1本から「その場」で識別できる手法の開発に成功した。
犯罪現場に残された毛髪は犯人を特定するための重要な証拠資料となり得るが、毛根から抽出されるミトコンドリアDNA検査のみでは完全な個人識別が行えないなど、毛髪による個人特定には課題が残されている。一方、現代では普段から毛髪を染色する人が増え、犯罪現場で取得される毛髪も染色されたものであるケースが多くなっているため、染色に使用されたヘアカラーリング製品を識別できれば有用な捜査情報となる可能性がある。
髪の毛1本からヘアカラー製品を判別出来るようになる!?
今回の研究結果は、理美容室などで利用するための毛髪やヘアカラーの研究ではなく、
警察が犯行現場で残された毛髪を調べる事で、犯人の特定が出来るようになるためのものです。
染毛に使用したヘアカラーリング製品を毛髪1本から「その場」で識別する手法を開発したということで、
犯罪現場に残された毛髪からの迅速な捜査情報の取得につながると期待されています。
- 犯罪現場から取得される毛髪は重要な捜査資料となり得ますが、現場に残された毛髪から個人を特定するには、さまざまな要因から課題が残されています。
- 表面増強ラマン散乱法、蛍光X線分析を組み合わせ、それぞれのポータブル装置で毛髪1本の試料から、染色に用いられているヘアカラーリング製品を識別できることを明らかにしました。
- 現場に残された毛髪を用いて、有用な捜査情報をその場で迅速に取得する手法として貢献できる可能性があります。
これまで毛髪から個人を特定するためには、一般的には毛根鞘から得られる核DNAや、毛幹からミトコンドリアDNAを抽出して検査が行われるようですが、
ミトコンドリアDNA検査のみでは個人識別が完全には行えないことや、
大型やコストも時間もかかる検査方法であったりすることから、現場に残された毛髪から個人を特定するには課題が残されていたようです。
そこで、東京理科大学工学部工業化学科の国村伸祐准教授および大学院工学研究科工業化学専攻の堀口桃菜氏は、
「表面増強ラマン散乱(SERS)」および「蛍光X線分析(XRF)」それぞれのポータブル装置を組み合わせて用いることで、
毛髪の染色に使用する異なるヘアカラーリング製品を、1本の毛髪を用いて、損傷させる事なく「その場」で識別できることを明らかにしました。
もしそれが簡単な機械で、すぐに毛髪から個人の識別を行う事ができれば、
犯罪現場に残された毛髪が犯人を特定するための重要な証拠となり得ます!
研究内容
国村准教授の研究グループでは、大型でコストもかかる装置ではなく、
高感度分析を「その場」で行える、ポータブル型分析装置を用いた高感度分析技術の開発と応用に関する研究を行ってきました。
その結果、「XRF」と「SERS」それぞれのポータブル装置を用いて、さまざまなヘアカラーリング製品を用いて染色した毛髪1本1本から、用いたヘアカラーリング製品の情報を取得して識別することを試みました。
X線分析の中でも、蛍光X線分析(XRF)はそれぞれの元素ごとに固有のエネルギーを持つ蛍光X線を調べる方法で、試料中に含まれる元素に関する情報を得ることができます。
本研究ではポータブル型全反射蛍光X線分析装置を用いて、染色した毛髪1本ずつを試料としてXRFを行うこととしました。
また、本研究ではさらに表面増強ラマン散乱(SERS)法を分析手法として採用しました。
SERSは通常のラマン散乱と比較して非常に強い信号が得られるため、微量試料の測定に威力を発揮することが知られており、特に有機分子の種類や構造を調べるための分析法です。
(む、むずかしい・・・w)
使用したカラー剤の種類・含まれる染料の特徴
今回の検証は、白色のブタの毛束に、
5種類の市販のカラー剤で染めてみて、その染めた毛束が、ポータブルの装置ですぐにどれで染めた毛なのかわかるのか?という実験です。
①製品A:永久染毛剤(非酸化型)。2剤式(第1剤:ポリフェノール化合物。第2剤:鉄塩)。
②製品B:永久染毛料。1剤式(植物(ヘナ等)由来染料系)。
③製品C:永久染毛剤(酸化型)。2剤式(第1剤:p-フェニレンジアミン、p-アミノフェノール、m-アミノフェノール、5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-2-メチルフェノール、p-アミノ-o-クレゾール、レゾルシン。第2剤:過酸化水素)。
④製品D:永久染毛剤(酸化型)。2剤式(第1剤:α-ナフトール、p-アミノフェノール、p-フェニレンジアミン、m-アミノフェノール、レゾルシン、黄色203号。第2剤:過酸化水素)。
⑤製品E:半永久染毛料。1剤式(赤色227号、黄色5号、黒色401号、橙色205号、紫色401号)。
上記5種類のヘアカラーリング製品それぞれで染色した毛髪1本ずつを試料として使用し、
SERS、XRFそれぞれのポータブル装置でスペクトルを測定しました。
つまり、
- オハグロ式染毛剤(鉄)
- ヘナ(たぶん100%天然ヘナ)
- 普通のアルカリカラー
- アルカリカラーに酸性染料が混ざってる
- ヘアマニキュア(酸性染料のみ)
というそれぞれ違ったヘアカラー製品に対して、
染料の識別に有用な「SERS」と、金属元素の識別に有用な「XRF」の2種類の試験をしたところ、
毛髪1本からでも製品5種類の識別の判別が出来きる事が確認出来たそうです!
国村准教授はこの研究の成果について、
「犯罪現場で見つかった毛髪と、被疑者の毛髪が同一か否かを判断した結果は、その人物が犯人であるか否かを判断するための重要な材料となります。
本研究で示した分析技術を用い、二つの毛髪が同一のヘアカラーリング製品で染毛されたものであるかどうか明らかにすることは、犯罪者を特定するための有用な情報を得ることに貢献すると考えられます。
また、ポータブル分析装置を用いて事件現場において毛髪を分析することにより、迅速に犯人に関する情報を得ることが可能となります。
以上のことから、本分析技術は科学捜査に貢献する技術になると期待されます。」
と話しています。
今回の毛髪1本からでも使用したカラーリング剤をその場で特定するという技術は、
今後、犯行現場での犯人特定に対する有効な手段になると思いますし、
その技術をいかして、僕ら美容室でもお客様の毛髪診断に使える様な製品が出てきたら良いのになー!と思いました。
ではでは。
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あっくん★
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