どーもー!
髪と頭皮のことを真剣に考える美容師あっくんです。
ある日突然、円形に毛髪が脱毛してしまう「円形脱毛症」
円形脱毛症の症状は人によって実に様々で、
1箇所だけ出来て数ヶ月で完治する人もいれば、脱毛箇所が増えたり、脱毛範囲が拡大してしまう方や、ちゃんと完治したのにまた再発する人もいます。
〔もくじ〕
円形脱毛症の原因
最新の研究では円形脱毛症は”Tリンパ球”と呼ばれる通常ウイルスなどの外敵から身を守るための免疫細胞が、髪の毛を作る元となっている毛包という細胞の周辺に多量に集まり、
間違って自分の毛包細胞を攻撃し炎症を起こすことで髪の毛が抜け落ちてしまう『自己免疫疾患』である、という説が有力となっています。
円形脱毛症は自己免疫疾患であるとする説の他、その他の要因(ストレス・アトピー素因など)が発症に関わっていると言われてきましたが、
「遺伝的要因」も大きいと言われています。
円形脱毛症と遺伝の関係
現在、円形脱毛症は遺伝とも深くかかわっていると考えられており、
親が円形脱毛症を発症した事がある場合には、その子供はそうでない場合の10倍も円形脱毛症を発症しやすいというデータがあるそうです。
その様な関係性から、僕自身「円形脱毛症」と「遺伝」との関係性は強いものがあるのだろうという事はありましたが、
2020年に、世界で初めて円形脱毛症を発症する原因となる遺伝子の1つが順天堂大学などの研究により同定されたと発表されました!
世界初、円形脱毛症の原因遺伝子を同定
順天堂大学大学院医学研究科皮膚科学・アレルギー学の池田 志斈 教授と東海大学総合医学研究所の岡 晃 講師らの共同研究グループは、円形脱毛症(*1)の原因遺伝子の1つとしてCCHCR1(*2)を世界で初めて同定しました。
そして、円形脱毛症患者のCCHCR1遺伝子のリスクアリル(*3)をゲノム編集法(*4)でマウスに導入したところ、円形脱毛症の患者と類似の症状を再現することに成功しました。
さらに、CCHCR1遺伝子のリスクアリルの有無によって円形脱毛症患者さんの毛髪の状態に差異が生じることを確認しました。
本成果は、原因が不明であった円形脱毛症に対し、発症機序の解明とリスクアリルの有無に基づく新たな診断法とタイプ別治療法開発の可能性を示すものです。本論文はEBioMedicine誌のオンライン版で公開されました。
「CCHCR1」という遺伝子が円形脱毛症の原因となる事が判明!
この発表をまとめると、
① “円形脱毛症の患者”と”健常者”の遺伝子(ゲノム)解析を行った結果「HLA-C」という遺伝子の付近に円形脱毛症の原因となる遺伝子が存在する事を特定。
② 原因となる遺伝子が存在すると推定される患者のHLAゲノム領域を、健常者と比較した結果、「CCHCR1」という遺伝子が変化していることを発見し、これが円形脱毛症の発症に関与していることが判明。
③ 「CCHCR1」遺伝子に同様の遺伝子変化を与えたマウスを作成したところ、ヒトの円形脱毛症と同様の脱毛が生じ、毛髪の状態や毛包の遺伝子パターンもCCHCR1遺伝子の変化を持つ円形脱毛症患者のそれとよく似たものが再現された。
以上の結果から、「CCHCR1遺伝子」を円形脱毛症の原因遺伝子の1つとして同定したという内容となります。
円形脱毛症は自己免疫疾患であるとする説の他、多くの遺伝子や要因が発症に関わっていると言われてきましたが、原因となる遺伝子が同定されたのは今回が世界で初めての事です。
円形脱毛症の原因となる遺伝子の1つがはっきり分かったという事で、
この遺伝子が原因(遺伝的要素)で発症した円形脱毛症患者さんに対する治療法が確立される可能性が非常に高くなったと言えるのではないでしょうか。
ではでは。
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