どーもー!
髪と頭皮のことを真剣に考える美容師あっくんです。
基本的に取り扱いをしていないメーカーの商品なので、何とも思っていなかったですが、
ヘアカラーのかゆみやかぶれ、アレルギーにお悩みの方に、
とても良い白髪染めが登場してましたのでご紹介したいと思います!
それは!
〔もくじ〕
中野製薬 SUSTINO(サスティノ)
千林店では来てもらっているディーラーさんに中野製薬の取り扱いがないのですが、姉妹店である大日店に来てるディーラーさんが、
オーナーに、
「しみにくい白髪染めが出たので試してください」
とサンプルを置いていったみたいで、
まぁ、どこのメーカーも新しいのは前より”しみにくい”って絶対言うし、特に興味も示さず、
ちょっと間、隅に転がっていたのですがw
よくよくパンフレットを読んでみると、
えっ!?これってもしかしてめっちゃ使えるんじゃね!?
ということに気付きました。
第2剤がヘアカラーを変えた。
このサスティノ、パンフレットやHPの商品説明などを読むと、
1番のウリはこれまでのヘアカラーと違って、『2剤』の方に特徴があるようです。
ヘアカラーの低刺激を謳う場合に多いのは、1剤の方のアルカリ剤を減らしましたとか、独自の保湿成分を配合しましたとかなんですけど、
このサスティノは珍しく『2剤』の方に特徴を持たせています。
頭皮負担を軽減する「ハイブリッドベース」
タイプの異なる2つのエマルションを組み合わせることで「頭皮負担の軽減」と「良好な染色性」という、それぞれの利点を活かした、まったく新しいヘアカラー用基剤です。
ハイブリッドベースでは、クリーム中に存在する液状油が選択的に頭皮へ保護被膜を形成します。
その保護被膜が、アルカリ、過酸化水素といった水溶性成分の頭皮への接触を妨げることにより頭皮負担を軽減します。
一方で、毛髪に対しては良好な染色性を保っています。
ということです。わかりましたか?
つまりめっちゃ簡単にまとめると、
「これまでの2剤より油分が多いのでしみにくい」
ということですw
ヘアカラーにオイルを混ぜたり、頭皮オイルを先に頭皮に塗ってしみにくくするという方法は多くの美容室でされていると思います。
ただあんまり油分が多いと頭皮への負担は減りますが、ヘアカラーの染まりが悪くなってしまうのですね。(ベタベタのオイルまみれの髪は染まりにくいですからね)
オイルを多めにしながらも、その辺をいい感じのバランスで低刺激と染色性を整えたのがこの『サスティノ』ということですね。
ただ、僕が注目したのはココではないんです(笑)
この2剤の特徴は何かで読んでて、その時も「ふ〜ん」くらいしか思ってなかったんです。
僕がちゃんとパンフ読んで知ったのは!
パラフェニレンジアミン無配合処方!
パンフレットでもこんな隅にちょっとしか書かれていないんですけどw
この『パラフェニレンジアミン』を無配合っていうが白髪染めとしてとても面白いなぁと思ったわけです。
パラフェニレンジアミンとは?
ヘアカラーでのアレルギーでたびたび問題になっている『ジアミン染料』ですが、
『ジアミン染料』と一括りに言ってもいくつか種類があるものなのです。
そのジアミン類の代表格がこの「パラフェニレンジアミン」になり、
濃い茶〜黒色を表現しやすく、発色が早く、ほとんどのヘアカラー(酸化染料)に含まれているのですが、
アレルギー性が高く劇物にも指定されているものです。
p-フェニレンジアミン (p-phenylenediamine、PPD) は化学式C6H4(NH2)2で表されるアニリン誘導体である。外見は白色固体だが、空気に触れると酸化して暗色に変化する[1]。主にエンジニアリングプラスチックの原料として用いられるほか、染髪にも利用される。毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている[4] 。
つまり、このパラフェニレンジアミンを配合されたヘアカラーを使い続けることにより、
アレルギーが発症してしまったり、このパラフェニレンジアミン入りのヘアカラーを使うことが出来なくなってしまうのです。
しかし、このサスティノのはこのパラフェニレンジアミンを無配合ということになっています!
そして勘違いしてはいけないのは、
あくまで”パラフェニレンジアミンのみ”無配合だということです。
違うジアミン類(硫酸トルエン2.5-ジアミンなど)や他の酸化染料(アミノフェノール類など)は配合されています。
なので『ノンジアミンカラー』と呼べるものではなく、
あくまで、『ノンパラフェニレンジアミンカラー』ということですね。
ノンパラフェニレンジアミンカラーのメリット
このパラフェニレンジアミンを無配合ということで良いと思われるのが、
これまでジアミンアレルギーだと言われて普通のヘアカラーが出来なくなっていた方でもアレルギー反応を示さずにヘアカラーを出来る可能性があります!
ただしパラフェニレンジアミンに対してだけ、アレルギーがある方のみです。
他のジアミン類やアミノフェノール類、レゾルシンなどにはアレルギー反応を示さない方には使用できる可能性があります。
あくまでも“可能性”だけですからね、ジアミンアレルギーの人がみんなというわけではありません!
交差反応というものもあります、パラフェニレンジアミンだけでなくジアミン類全部ダメな方もおられます。
安易に使ってトラブルを起こさないように気をつけてください!
そして、もう一つ、これが大切かもしれません。
今、アレルギーではない方がジアミンアレルギーになってしまう可能性を減らせる!
ヘアカラーでの1番のアレルギー性を持っているパラフェニレンジアミンを使わないでヘアカラーを楽しむことが出来ればお客様がアレルギーを発症してしまうことを少しでも防げます!
これはとても大きなメリットではないでしょうか!(´∀`)
ここまで来たら後は実際に試してみるしかありません!
パラフェニレンジアミン無配合で染まりが悪いのであればまた使い所が難しいですからね。
SUSTINO(サスティノ)を試してみた!
モデルはいつものオーナーです(笑)
根元はまだあまり伸びてないのですけど、とあるサンプルを試して(ブログにはしてない)、
予想通り染まりが悪くw
根元だけ薄いブラウンになっています。
こちらがサスティノの1剤です。
濃いめ希望なのでこちらを混ぜて4レベルで使用します。
箱を開けてビックリ!
めっちゃカラーの危険性とかパッチテストの必要性をアピールしてるw(中野製薬さんはどれもこうなのかな?)
パンフレットにも刺激性かぶれとアレルギー性かぶれの違いをきちんと書いていたりと、しっかりと説明されていました。
こちら成分が気になる方むけに
ジアミンの文字はありますが、パラフェニレンジアミンの文字は確かにありませんね。
こちらの1剤と2剤とよく混ぜ、
画像では全然伝わらないなと思いますが、確かに2剤かオイルっぽい!これまでの2剤とはちょっと違うなっていうのもわかります。
こちらをオーナーにたっぷりと塗布していきます。
オーナーはカラー剤によっては塗布してすぐからピリピリ感じるものもありますが、
このサスティノはこの時点では全く刺激がなく、とてもいい感じの評価です。
この最初のピリピリは刺激性のかぶれである場合が多いので、この刺激が抑えられていることはオイル成分が多い2剤が効いているということにもなります。
ただしオイル成分が多めで、さらにパラフェニレンジアミンを無配合ということで、きちんと白髪が染まるのかが重要です。
このまま自然放置で30分置いて様子をみましょう。
その仕上がりは!?
おおー!文句なし!ばっちり染まっています!(*゚∀゚*)
4レベル使用なのでまぁ染まってもらわないと困りますがw
それでもパラフェニレンジアミンを無配合で染まりにくいオーナーの白髪がきちんと染まっていることに驚きです!
染まりが悪ければひと工夫必要かなとも思いましたが、普通の使い方で十分いけることがわかりました。
そして1日経った後、頭皮のかゆみが出なかったのか確認してみると、
「これまでのカラーより全然大丈夫だった!」のこと(´∀`)
これは完全なジアミンアレルギーと思っていましたが、パラフェニレンジアミンに反応していたとも考えられますね!
このサスティノで毛染めかぶれの方への染めるカラー剤の選択肢が一つ増えたかもしれません。
ただこのサスティノ、色のバリエーションはあまりありません。
あくまでブラウン系のみですが、アレルギーでない方なら少し通常のカラーを混ぜて作ってもいいでしょうし、
パラフェニレンジアミンアレルギーの方には塩基性HC染料を加えて色を作ってもいいでしょう。
この辺はまあどうにでもなりますね。
まとめ
この様に中野製薬さんの「サスティノ」は、
- パラフェニレンジアミン無配合の1剤
- オイルベースの2剤
が特徴となるヘアカラーです。
パラフェニレンジアミンを無配合にすることで、アレルギー性のかぶれの方にも染めれる可能性と、今はまだアレルギーが発症していない方への予防策としての使用。
オイルベースの2剤にすることで、刺激性のかぶれを感じる方へ、頭皮への負担の軽減などの効果があります。
完全なノンジアミンカラーよりかはリスクが残りますが、”しっかりと染まる”ということも確認できましたので、
ヘアカラーの選択肢の一つとして使用するのはアリだなと思いました。
これからさらにもう少し検証していきたいと思います。
ただ中野製薬さんに一つ言いたいのは、
ということですww
(大きく書いたら勘違いする美容師も多いからかな?)
サスティノのよりリスクを減らすなら、
こちらのノンジアミン酸化染料がオススメです。
さらにもっとリスクを減らすならノンジアミンカラーのご使用になります。
それぞれ特徴が違ったり、アレルギーのお持ちの方は使用できるものに制限がありますのでご相談ください。
ではでは。
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あっくん★
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通常、ヘアカラー剤は第1剤、第2剤ともに水相の中に油滴が存在するO / W(水中油滴)型エマルションでできています。
このエマルションは、アルカリや過酸化水素が水に溶けていて、毛髪や皮膚に対して作用しやすく、染色性が良い反面、頭皮への負担につながりやすいという特性があります。
一方、W / O(油中水滴)型エマルションは、油の中に水滴が浮いている状態のクリームで、水滴中にアルカリや過酸化水素といった成分が溶け込んでいます。
このエマルションでは、水滴中の成分が毛髪や皮膚に作用しにくく、頭皮への負担が生じにくい反面、染色性が悪いという特性があります。