どーもー!
髪と頭皮のことを真剣に考える美容師あっくんです。
今回はヘアカラーを使用するとアレルギーが出て染める事ができないというお悩みの方でも使用する事ができる「ノンジアミンカラー」の種類について詳しく解説していきたいと思います。
メディア掲載情報
ヘアカラーでのアレルギーでお悩みの方に加えて、全国で理美容師向けのアレルギー・ノンジアミンカラーのセミナーも行っています。お気軽にお問い合わせ下さい。
現在、花粉症や食物アレルギーなど、
たくさんアレルギー物質(アレルゲン)によりアレルギー反応が起こりやすくなっています。
そして、今は「ヘアカラー」でもアレルギー反応が起こってしまう方が増えてきています。
いわゆるアルカリカラーと呼ばれる、アレルギー性の強い「ジアミン(パラフェニレンジアミン)」を含むヘアカラーを使い続けていると、
「ジアミンアレルギー」になってしまう可能性があります。
ジアミンアレルギーになってしまうと通常のジアミンを含むヘアカラーで染めることは出来なくなってしまいます。
もし、
「ジアミンアレルギーになってしまった」
「今は大丈夫だけどアレルギーにはなりたくないのでジアミンが入っていないヘアカラーを使いたい」
という方のために、
今回はノンジアミンカラーとはどんなものがあるのか、その種類と特徴についてまとめておきたいと思います。
〔もくじ〕
「ノンジアミンカラーの種類と特徴」
まずはジアミンを使っていない「ノン・ジアミンカラー」とはいったいどんなものなのでしょうか?
まずは市場に出ているカラー剤の種類として現在このように分類されているのですが、
この中からさらに「ノンジアミンカラー」を分類していきたいと思います。
「ノンジアミンカラー」と呼ばれるヘアカラーの種類は、
- ヘアマニキュア
- カラートリートメント
- 脱色剤・脱染剤
- ヘナ
- ノンジアミン酸化染毛剤
の大きく5つに分かれます。
順に解説していきましょう。
①ヘアマニキュア(酸性染毛剤)
ヘアマニキュアとは、、「マニキュア」という言葉が示すとおり、
手足の爪に使うマニキュアと同じようなイメージです。
ヘアカラーとは違い、イオン結合によって髪の表面に色素を吸着させる仕組みになっています。
ヘアマニキュアは髪の内部にまで入ることはないため、大きなダメージはありません。
しかしブリーチ作用が無いため黒髪に対してはどんな色を選んでもほとんど色味がみえません。
主に白髪を染める時や、ハイトーンのカラーでビビットな色を出したい時に使います。
また頭皮にヘアマニキュアがつくとなかなか取れにくく施術では根元の1~2mm開けて塗るので、根元から染めることはできません。
といった特徴がある「ヘアマニキュア」ですが、
髪の毛を明るくせずに白髪を隠したい方には今でも人気のカラー剤ですね。
まずノンジアミンのカラー剤として第一候補にあがるのはこのヘアマニキュアになるでしょう。
さらに詳しいヘアマニキュアの染まる仕組みはこちらをご覧ください。
②カラートリートメント(塩基性・HCカラー)
一般的に「カラートリートメント」と呼ばれるカラー剤には「HC・塩基性染料」と呼ばれる染料が入っています。
もともとは白髪染めなどヘアカラーには使うことが出来なかった染料なのですが、2001年の化粧品規制緩和によって、使用することが可能になった(日本の中では)比較的新しい染料です。
・塩基性染料とは?
塩基性染料はプラスの電荷を持っているという特徴があり、
髪の毛の表面にあるケラチンタンパク質のマイナス部分とイオン結合します。
(ヘアマニキュアとは逆の性質(電荷)です)
結合することで染料が付着し色が付くのですが、分子サイズが大きいため、髪には浸透しません。 ですから、ほかの染料と違って、髪の毛の表面に付着するダメージの少ない染料となります。
・HC染料とは?
HC染料のHCとはhair colorの略で、ヘアカラーの染料として開発されたものになります。
HC染料はは分子が小さいため、髪のキューティクルを開く必要なく、髪の内部まで浸透して染めることができます。
しかし、分子が小さいがゆえに、色の落ちも早いという特徴があります。
今後新しく開発されるヘアカラー用の染料はこのHCの名がつくために特徴がそれぞれ違った特徴を持つことになり一概にHC染料は色落ちしやすいと言えなくなってきてます。
そして、この塩基性カラーとHCカラーはお互いが邪魔にならないために、混ぜられて製品化されているものが多いです。
混ぜて使用することで髪の毛の中と外の両方を染まるように考えられ組み合わされています。
これまで、ジアミンの入っていない毛染めの代表は①の『ヘアマニキュア』でした。
ただ、ヘアマニキュアは地肌から染めれないという欠点があります。
こちらの塩基性HCカラーは、マニキュアと似た染料ですがこちらは皮膚に付いても、比較的落ちやすくらなっています。
髪の色落ちに関して早いところもありますが、カラートリートメントと呼ばれるようにトリートメントやアルカリカラー(※)に混ぜれたりと使い勝手のいいカラー剤であるという特徴もあります。
そしてジアミンアレルギーの方にジアミン入りのカラー剤と混ぜて使用するのはダメです。
③脱色剤・脱染剤(ブリーチ・ライトナー)
いわゆるブリーチやライトナーと呼ばれる脱色剤です。
名の通り髪の色素を抜く『脱色』のみを行います。もともと”染料”が入っていないのでノンジアミンです。(染料が入っていないので”クリアカラー”と呼んでいるものもあります)
脱色の効果により髪を明るくすることはできますが、他のヘアカラーと違い”色味”を入れること、暗くすること・白髪を染めることはできません。
中には「ライトナー」と名乗っていても染料が入っているものもありますので、成分は確認しておきましょう。
このブリーチやライトナーでアレルギー反応を示す方は、染料が原因ではなくアルカリ剤や過酸化水素に対しての反応だと考えられます。
④ヘナ(天然染料)
ヘナはインドをはじめ、アフリカ、西南アジアに自生する植物で、植物染毛剤や薬剤、防腐剤として古来より使用されてきました。(ここ数年前から日本でも栽培が始まっています)
天然のヘナは脱色(ブリーチ)作用はないためにヘアカラーのように髪の毛を傷めることはありません(明るくすることもできません)。
むしろオレンジの色素が傷んだ髪にできてしまっているダメージホールの穴埋めをしてくれるために、ハリコシやツヤが出やすくなり、くせ毛なども落ち着きやすくなるといった効果があります。
そのため最近ではヘナをカラーリングだけでなくヘアトリートメントを目的にヘナを使う人もおられます。
ヘナは植物の粉なので、酸化染料だと頭皮がかぶれる、ジアミンアレルギーが出るといった方にでも使えます。
こちらのヘナと「香草カラー」や「ハーブカラー」「オーガニックカラー」など草や植物の名の付くカラーとヘナとを混同されている方もいらっしゃいますが、
香草カラーやオーガニックカラーなどには「ジアミン」が含まれています!!
現在、確認できている天然染料で髪の毛のヘアカラーとして使用できる(髪が染まる)ものは、
ヘナ、インディゴ(藍)、ターメリック(ウコン)の3種のみです。
それ以外の植物(昆布とかw)は髪の毛を染めることは出来ません!
様々な植物を混ぜている商品は手触りや感触などの変化は与えますが、髪の毛への染まりに関しては全く意味がありません。
⑤ノンジアミン酸化染毛剤
こちらはちょっと特別な商品になりますが紹介しておきます。
基本的にジアミンの入っているとされている「酸化染毛剤」でありながら”ジアミン”が配合されていないタイプのヘアカラーになります。
”ジアミン”は入ってはいませんがジアミン以外の酸化染料が入っています。
ジアミン染料ではありませんがよく似た構造の染料(アミノフェノール類)が入っていますので、刺激やアレルギーの心配も多少あります。
「ノンジアミンの酸化染毛剤」は色味や明るさに多少のバリエーションはありますが、
やはりジアミンという黒やブラウンを表現する染料が入っていないため、
明るい髪を暗くすることや白髪染めなどの暗い色にするのは少し苦手です。
ただし今は、ジアミン類でも1番のアレルギー性物質である「パラフェニレンジアミン」を使用しないタイプや、
アミノフェノール類以外の酸化染料をうまく組み合わせて、濃い色を表現できるノンジアミン酸化染料も増えてきました。(正確に言うと、ノンパラフェニレンジアミン酸化染料)
これらを使うとしっかりとた白髪染めや毛先のトーンダウンもしやすく、色持ちも良く、
通常のヘアカラーに近いヘアカラーを楽しむことが出来ますが、アレルギー性は高まりますので使用できる方は少し限定されます。
理美容師さんとしっかりと相談しパッチテストなども行いながらご自身には使用できるのか確認しましょう。
追記
以前はこれくらいでノンジアミンカラーの種類は分類できていたのですが、
ここ数年で全く新しいヘアカラー染料がいくつか登場し始めましたので簡単にご紹介しておきます。
⑥レインボー染料
花王と富士フイルムが共同開発した新規染料。(一応)日本では未発売、ヨーロッパでコールドウェルから先行発売。
⑦グロス染料
デミが開発した酸化染料を先に重合させてアレルギー性を低くした染料。
あと昔ながらの「お歯黒式」とか、一時期問題になった「光で染まるヘアカラー(銀塩)」とかもありますけどあまりオススメはできません。
興味がある方だけどうぞww
まとめ
今後アレルギーの方が増えてきたり、ヘアカラーによる事故が増えてしまうと、
国からの規制や制度が変わりジアミン入りのカラーの使用に制限や使えなくなる可能性もゼロではありません。
その時に美容室・美容師としてヘアカラーを何もできない、染めれない、
では困りますので、一般の方だけでなく、理美容師さんもきちんと種類の違いを確認しておく必要があると思います。
今回は、大きく5タイプの「ノンジアミンカラー」をご紹介させていただきましたが、
勘違いしやすいのは、オーガニックカラーとか植物性カラーみたいなネーミングで肌に優しいみたいな打ち出し方をしているカラー剤です。
オーガニック認証や天然由来であろうが肌に優しいことと、ジアミンアレルギーであることは関係ありません。ジアミン染料が入っていればアウトです。
不安があればパッチテストの必要性がない化粧品分類のカラー剤も事前にパッチテストで大丈夫かどうか確認しておきましょう。
「ノンジアミンカラー」と呼ばれるものは、
現在のところジアミンの含まれるアルカリカラーと比べると、明るくすること、染めることにおいては確かにデメリットが多いです。
このデメリットがあるために「ジアミン」がアレルギーを起こしやすいとわかっていてもなかなか他のカラーに変えることができないのが現状です。
しかし、
今回ご紹介したノンジアミンカラーの特徴をうまく利用することで、
少しずつそれぞれの方の希望に合わせた色や明るさをノンジアミンでも表現出来るようになってきました。
完全にすべてのお客様の状態や要望には合わせることは出来ないかもしれませんが、
出来る限り、リスクと手間の少ない方法と薬剤を選ばせていただきますので、今までアレルギーでカラーができないと思っている方でもぜひ一度ご相談ください。
もし今後も他のタイプのノンジアミンカラー剤もわかりましたら追加していきたいと思います。
ではでは。
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あっくん★
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