一般的なヘアサロンではなかなか対応、相談できない、ジアミンアレルギー、ノンジアミンカラーについて常に勉強、検証を繰り返し、
数々のヘアカラーでのお悩みを解決してきている美容室ART FOR ART’Sの小野敦之が、
ジアミンアレルギーについて詳しく徹底的に解説していきたいと思います。
メディア掲載情報
ヘアカラーでのアレルギーでお悩みの方に加えて、全国で理美容師向けのアレルギー・ノンジアミンカラーのセミナーも行っています。お気軽にお問い合わせ下さい。
- 「ヘアカラーで頭皮がかゆくなる原因は?」
- 「ジアミンアレルギーっていったいどんな症状なの?」
- 「ジアミンアレルギーになってもヘアカラーはできるの?」
近ごろはテレビや芸能人などの投稿でも問題となっているジアミンアレルギー、本当のところどうなのか気になりますよね?
はじめまして。「あっくんヘアケアブログ」を運営するあっくんこと、小野と申します。
いつまでも美しい髪でいたい女性にとって、ヘアカラーは強い味方です。
しかし、ヘアカラーを楽しんでいるうちに、「頭皮がかゆくなってきた…」なんて事が起こっていないでしょうか?
その原因の多くは、ヘアカラーに含まれる「ジアミン染料」が原因です。
そのジアミン染料にアレルギーをもってしまうことを「ジアミンアレルギー」と呼んでいます。
ジアミンアレルギーになってしまった場合に、それでもヘアカラーをされたいと思われるならば、ジアミン染料の含まない「ノン・ジアミンカラー」を使用する必要があります。
「ノンジアミンカラー」という言葉も最近よく聞くようになりましたが、
- 「ノンジアミンカラーって何? 頭皮に優しいの?」
- 「ノンジアミンカラーだとアレルギーでも染める事ができるの?」
- 「ノンジアミンカラーって種類があるの?」
などなど、さまざまな疑問があるかと思います。
そこで今回はノンジアミンカラーのプロフェッショナルであるあっくんが、あなたの疑問にしっかりとお答えしていきます!
この記事を読むとわかること。
- ヘアカラーで起こるかぶれの原因
- ジアミンアレルギーについて
- ジアミンについて
- ノンジアミンカラーの種類
- ノンジアミンカラーのメリット・デメリット
- ノンジアミンカラーの選び方
実は、ノンジアミンカラーは昔からあるものなのですが、様々な研究や新商品が開発され、対応できる幅が広がってきたのはここ10数年とまだまだ歴史としては浅い分野であるともいえます。
アレルギーのメカニズム自体がまだ完全には解明されていないこともありますし、ノンジアミンカラーという存在が美容業界にも技術や理解が浸透しきっていないのが現状です。 また通常のジアミンを含むヘアカラーと比べてメリットだけでなくデメリットも存在します。
そのため、ジアミンアレルギー、ノンジアミンカラーについてしっかり理解して、「このヘアカラーなら使用できる!」ということを理解、確認した上で使用することが大切です。
それでは早速、ジアミンアレルギーの基本からご紹介いたします。
〔もくじ〕
「かぶれ」の種類と原因とは?
まずは、そもそも「かぶれ」「かぶれる」とはいったいどういう症状なのか、特徴と原因について解説していきます。
『かぶれ』とは正式には「接触性皮膚炎」と呼ばれ、字のごとく原因物質が肌に接触した時に起こる皮膚炎のことを言います。
では、「かぶれ(接触性皮膚炎)」はどんなものが原因となって起こるのでしょうか?
かぶれ(接触性皮膚炎)とは
かぶれの原因を一言でいうと「身の回りのありとあらゆるものが原因物質」になってしまうといっても過言ではありません。
化粧品や金属類、植物などが原因でかぶれる方もいらっしゃいますし、
それ以外にも私たちの身の回りには「かぶれ(接触皮膚炎)」を引き起こす可能性のある物質がたくさん潜んでいます。
そんなかぶれ(接触性皮膚炎)ですが、大きくは
- 「刺激性接触皮膚炎」
- 「アレルギー性接触皮膚炎」
の2つに分類されます。
その違いについて解説していきますね。
①刺激性接触皮膚炎
刺激性の皮膚炎を引き起こす物質には、
台所や浴槽のパイプ洗浄に用いられる酸・アルカリ、などの強力な洗剤、毒性のある植物・昆虫、
こうした刺激性の強い物質に触れることで、かぶれなどの肌トラブルを生じる危険性があります。
②アレルギー性接触皮膚炎
アレルギー性接触皮膚炎の場合は、身の回りにある無数のものが原因物質となりえます。
クロム・ニッケル・コバルトなどの金属類、ウルシ・イチョウ・ラン・蕎麦・小麦などの植物、ゴム製品、防腐剤、香料などが、
アレルギーを引き起こす原因となっています。
「”刺激性”接触皮膚炎」は刺激性の強い物質が肌に触れると誰にでも起こりうるのに対して、
「”アレルギー性”接触皮膚炎」は、ほとんど人が触れてもどうと言うことがない物質でも、その特定の物質に対してアレルギーを持つ人だけに起こる、という違いがあります。
アレルギー反応とは
私たちの体には、細菌・ウィルス・寄生虫などの感染性微生物や異物などから、身を守るための「免疫」という仕組みがそなわっています
ところが、この免疫のしくみが、食べ物や花粉など私たちの体に害を与えない物質に対しても「有害な物質だ!」と過剰に反応して、
本来は体を守るはずの反応が、自分自身を傷つけてしまうのが「アレルギー」です。
原因物質(アレルゲン)が身体に何度も侵入すると、ある時突然、免疫反応が過剰に起きるようになってしまう事がありますので、
今まで大丈夫だというものでも、突然アレルギーの原因になりえるので注意が必要です。
ヘアカラーで起こる”かぶれ”も、「刺激性」と「アレルギー性」のかぶれに分かれますので、
それぞれどの様な症状が起こるのか、またその原因物質について解説していきます。
ヘアカラーで起こる「刺激性かぶれ」と「アレルギー性かぶれ」の違い
ヘアカラーでの刺激性かぶれ(接触皮膚炎)
「刺激性かぶれ」とは、刺激物質が皮膚に接触したときに、皮膚が刺激されて生じる皮膚炎のことです。
この時の炎症の程度は刺激の強さによります。
その時の体調や状況で、かぶれたりかぶれなかったりするのが刺激性かぶれの特徴です。
ヘアカラーで起こる刺激性かぶれの原因は、
主にカラーに含まれる「アルカリ剤」と「過酸化水素」、もしくはその2つの反応(ブリーチ作用)によって皮膚の細胞や抹消神経を刺激し、一時的に赤くなったりヒリヒリすることです。
多量に、そして長く触れるほど症状も重くなります。
皮膚の強さにもよりますが、誰にでも起こりうる可能性があります。刺激を感じたらすぐ流してあげることで症状の悪化を防ぐことができます。
ヘアカラーであればすぐにピリピリ感じたり、わりとすぐに症状がでるのも特徴です。
ヘアカラーでのアレルギー性かぶれ(接触皮膚炎)
アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)に対する過剰な免疫反応により生じる皮膚炎。
すべての人に症状がでるわけではなく、特定の成分に対してアレルギーになった人だけに特異的に生じます。
特徴としては原因物質に触れる量や時間に関わらず反応が出ること、触れた場所以外でも発生します。
一度なったら治らない、と言われるのが「アレルギー性かぶれ」です。
ヘアカラーで起こるアレルギー性かぶれの原因は、
主にカラー剤の1剤に含まれる「酸化染料(ジアミン染料)」にアレルギー反応を起こす方が多いです。
典型的には、ヘアカラーの6時間後~半日後くらいよりかゆみを感じ、その後にかゆみ・赤み・腫れ・ブツブツなどの皮膚炎症状が出始め、染毛の48時間後に最も症状がひどくなります。
この、後からアレルギー反応を起こす症状を「遅延型アレルギー」と呼んでいます。
アレルギー性かぶれの場合にはカラー剤をすぐに流したからといっても症状が治まるわけではありません。
このアレルギーが出てしまうとカラーを塗った頭皮だけでなく、顔全体が腫れたり、頭皮から滲出液(しんしゅつえき)が出たり、薬液等の接触していないところまで皮膚炎が拡大したりすることがあります。
さらに症状がひどい場合に「即時型アレルギー」と呼ばれる、
ヘアカラーを塗布してすぐに、頭皮がジンジンしてきたり、気持ちが悪くなる、息が苦しくなる、頭皮や顔が腫れてくるなど、その場で起こるアレルギー反応もあります。
ヘアカラーで起こるアレルギー性皮膚炎には、
- 「遅延型アレルギー」
- 「即時型アレルギー」
の2種類があります。
染めた後、頭皮が痒くなるという症状を我慢し続けていると、染めた直後から強いアレルギー反応を起こす様になる危険性もあるので注意が必要です。
ヘアカラーでかぶれるという方は、
- 刺激性かぶれによる反応
- アレルギー性かぶれによる反応
- 刺激性、アレルギー性、両方による反応
このどれかに当てはまる事になるでしょう。
アレルギーの症状が酷い場合には、顔が膨れ上がったり、頭皮から滲出液(しんしゅつえき)が出たり、薬液等の接触していないところまで皮膚炎が拡大し、最悪アナフィラキシーショックを起こし命の危険性を与えることがあります。
ヘアカラーでのアレルギーの原因は?
ヘアカラーで起こるアレルギーは、ヘアカラーに含まれる成分が肌(頭皮)触れる事によるアレルギー反応が起こってしまいます。
ヘアカラーにはいったいどんな成分が含まれているのでしょうか?
ヘアカラーの仕組み
まず、いわゆるオシャレ染め、白髪染めなど、1剤2剤を使用の直前に混ぜて使用するタイプの「ヘアカラー(毛染め)」と呼ばれているものは、
『酸化染毛剤(さんかせんもうざい)』という種類の毛染めになります。
「酸化染毛剤」の1剤には、
- 「酸化染料」
- 「アルカリ剤」
が主成分として配合されています。
そして2剤の方には
- 「酸化剤(過酸化水素)」
が主成分として配合されています。
有効成分の酸化染料が毛髪中に浸透し、毛髪中で酸化して結びつくことで発色し、色を定着させます。
酸化染毛剤には染色と毛髪の色素であるメラニンを脱色する2つの働きをする作用があり、おしゃれ染めができるのもそのためです。
ヘアカラー(酸化染毛剤)とは、
1剤の「酸化染料」と「アルカリ剤」が含まれており、それに「過酸化水素」を含む2剤と呼ばれるものを混ぜることにより、
『発色』と『ブリーチ作用』が行われることにより髪の毛を様々な色に染めることができるのです。
酸化染料は過酸化水素と混ざる事により、「酸化重合」という化学反応が起こり、入った染料が毛髪内で重合する(大きくなる)事で染着しますので、2ヶ月程度の長い期間髪色を楽しむ事ができます。
しかし、この酸化染料にアレルギー反応を起こしやすい「ジアミン」という成分があります。
その「ジアミン」とはいったいどんなものなのでしょうか?
「ジアミン」っていったい何?「ジアミンアレルギー」とは?
ジアミンというのは、『パラフェニレンジアミン』や『硫酸トルエン-2.5-ジアミン』など、「○○ジアミン」と名のつくヘアカラーに含まれる化学染料(酸化染料)の名称になります。
このジアミンに対してアレルギーをお持ちの方を「ジアミンアレルギー」と呼んでいます。
私たちが使用しているほとんどのヘアカラー(酸化染毛剤)にこの『ジアミン』が配合されています。
ヘアカラー剤に使用される主な「酸化染料」
- パラフェニレンジアミン
- 硫酸トルエン2,5-ジアミン
- パラアミノフェノール
⚠︎現在、アレルギー発症の報告例が特に多い酸化染料
- オルトアミノフェノール
- メタアミノフェノール
- パラアミノオルトクレゾール
- 塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノール
- レゾルシン
酸化染料に含まれる「ジアミン染料」は、ヘアカラーにおけるベースの色となる、「ブラウン」や「ブラック」などの濃い色を少ない色素で出すことができ、
短時間で染まり、色持ちも良く、混ぜ合わせることでさまざまな色を簡単に作れるなどの理由から、現在のヘアカラーにおいて無くてはならない存在です。
とくに日本人含むアジアの人にとっては黒く染めることは大切になるので(白髪染め、黒染めなど)、今のところ『ジアミン』は欠かせない成分なのです。
酸化重合と呼ばれる化学反応により髪の毛の内部からしっかりと発色するために色持ちもよく、ヘアカラーの染料としては素晴らしい染料なのですが・・・
しかし、この『ジアミン』、
アレルギー反応を引き起こす原因であるとして劇薬に指定されています!
ジアミンアレルギーの原因「パラフェニレンジアミン」
酸化染料の中で1番アレルギーリスクが高いとされている「パラフェニレンジアミン」が、
ジャパニーズスタンダードアレルゲンに選ばれているのです。
なのでヨーロッパでは、『パラフェニレンジアミン』のヘアカラー剤としての使用が禁止されている国もあります。
ジアミンアレルギーによる反応は体内の免疫が過剰反応するもので、
アレルギー体質などで先天的にパラフェニレンジアミンにアレルギーをお持ちの方や、
花粉症などと同じで長年にわたって体内に蓄積され続けたものが、体内の許容量を超えたときに起こります。
- 最初からダメな方(先天的)
- パラフェニレンジアミン(PPD)配合のヘアカラーをずっと使い続けていることで発症(後天的)
このジアミンはアレルギー反応を引き起こす原因になるだけでなく、酸化剤と混ぜた時にできる中間物質にも有害性があることが知られています。
その症状としては、皮膚のかぶれ、赤み、かゆみ、炎症などのほか、大量の抜け毛が発生するなどのトラブルがおこります。
このような問題を避けるために、髪の毛を染める場合にはかならず事前にパッチテストを行ないましょう。
ヘアカラーでのパッチテスト
「パッチテスト」は、ヘアカラーを使用した時に、かぶれや痒み刺激などが起こる体質なのかどうかを調べるためのテストです。
これまで問題なく使用してきた製品であっても、アレルギー反応はある日突然に起こることから、
毎回必ず、染毛の48時間前から実施する必要があります。
パッチテストの手順
準備
- 実際に染めようとしているヘアカラーの第1剤と第2剤
- 綿棒
- コットン
- 第1剤と第2剤を混合する小皿
第1剤と第2剤を指定された割合でとり出します。(製品によって混合の割合が異なりますからご注意ください。)
STEP②
とり出した第1剤と第2剤を、新しい綿棒で混ぜ合わせテスト液をつくります。
STEP③
テスト液を綿棒にとり、腕の内側に10円硬貨大にうすく塗って自然乾燥させます。
テスト液は乾くまで衣服につかないように注意しましょう。30分くらい放置しても乾かない場合は液のつけ過ぎです。余分な液をコットンやティッシュペーパーでこすらないように軽くふきとってください。
STEP④
そのまま触れずに48時間放置します。(時間を必ず守ってください。)テスト液を塗ったところは絆創膏等で覆わないでください。
テスト部位の観察はテスト液塗布後30分くらいと48時間後の2回行ってください。そのとき、塗布部に発疹、発赤、かゆみ、水疱、刺激など皮膚の異常を感じた場合には、手などでこすらないで、すぐに洗い落とし染毛はしないでください。(48時間以前であっても、同じような異常を感じた場合も同様です。)
STEP⑤
48時間経過後、異常がないことを確認したうえで、すぐにヘアカラーリングします。
パッチテストの観察は、テスト液塗布の30分くらい後および48時間後の2回行う必要があります。
これは、先に「アレルギーとは」のところで説明させていただいた、
- 「即時型アレルギー」
- 「遅延型アレルギー」
どちらに反応されるのか調べるためです。
塗布30分くらい後の観察は、主に「即時型アレルギー」の反応を調べるもので、
48時間後の観察は、主に「遅延型アレルギー」の反応を調べる為に行われます。
パッチテストの確認方法
ヘアカラーでの「パッチテスト 」で観察される皮膚の異常とは、
テスト部位に、かゆみ・発赤・発疹(丘疹や小水疱)・腫れなどを認めることです。
カラーリング剤を、使用する48時間前に腕の内側などの目立たない部分に少量塗布し、反応を見ます。
皮膚の異常がひどいと、テスト部位の周囲に炎症や痒みなどが起こります。
この異常が認められた場合、ただちにテスト液を洗い流し、絶対にヘアカラーをしないでください!
アレルギー反応はいつどんなタイミングで起こるのかはわかりません。今までなんともなかった方でも突然発症してしまうものです。パッチテストは必ずしておきましょう。
医療機関でのパッチテスト
病院などで「ジアミンアレルギー」の検査をしたいとなると、
上でご説明した「ジャパニーズスタンダードアレルゲン」
のテストキットを用いてパッチテストを行います。
しかしこの医療用のパッチテストキットにはヘアカラーの染料としは「パラフェニレンジアミン」しか含まれていませんので、その他の酸化染料およびヘアカラーの検査は行えません。
パラフェニレンジアミン以外のヘアカラー染料のアレルギーテストをしたいとなると、医療機関に患者様自身で調べたいヘアカラーを持ち込むことになりますので、医療機関に前もってお問い合わせください。
ジアミンアレルギーになってしまうとジアミンを含むヘアカラーで染めることは二度と出来なくなってしまうのですが、
まったく髪の毛を染めることが出来なくなる、というワケではありません。
ジアミンの含まないヘアカラーならば使用する事も可能です。
ヘアカラーの種類
まず一口に「ヘアカラー」「カラー剤」「毛染め液」などといっても実は「医薬部外品」と「化粧品」に分かれています。
出典 日本ヘアカラー協会
そして、そこから様々な種類に分かれています。
今回この全てをご紹介するとかなり長くなってしまいますので、この中から主要のヘアカラーをピックアップしてご紹介させていただきます。
- アルカリカラー
- ヘアマニキュア
- カラートリートメント
- ヘナ・インディゴ
- ブリーチ・ライトナー
①アルカリカラー(酸化染毛剤)
ジアミン染料などの酸化染料が含まれており、酸化剤(過酸化水素)の力を利用し、毛髪内部から発色します。
明るく、色味も豊富に染めることができる汎用性の高いカラーですが、アレルギーのリスクやダメージに難点があります。
一般的な「ヘアカラー」とは、この酸化染毛剤のことを示すことが多いです。”おしゃれ染め”とか”白髪染め”と呼ばれるものも基本的にはこのタイプのカラー剤です。
アルカリ剤と過酸化水素により髪のキューティクルを開き髪のメラニン色素を脱色(明るく)し、
酸化染料を過酸化水素が反応することで、髪内部浸透した染料が酸化重合することで、内側からしっかりと髪を染めるという仕組みになっています。
つまり髪の毛を”脱色する作用”と”染色する作用”の両方も併せ持っており、さらに色の種類も豊富なため、
他のカラー剤よりも髪の色を変えやすく、現在のヘアカラーの主流となっています。
発色がきれいで色もちがよく、白髪も染めることができたり、期間も2~3ヶ月と色持ちがよいのが特徴です。
そんな便利な酸化染毛剤ですが、髪の毛を明るくする作用があるために、髪の毛にダメージが出やすいことと、
酸化染料の中にジアミン(パラフェニレンジアミン)と呼ばれる髪に黒やブラウンを作る元になる色素が、
かぶれやアレルギーの原因になる可能性があるので注意が必要です。
アルカリカラーのメリット・デメリット
メリット | ◎しっかりと染まり、色持ちが良い ◎明るくも暗くも染めることができる ◎色味が豊富 ◎根元から染める事ができる |
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デメリット | ✖酸化染料(ジアミン)によるアレルギーリスクがある ✖︎頭皮への刺激が起こりやすい ✖髪へのダメージがでやすい |
②ヘアマニキュア(酸性染毛料)
ヘアマニキュアとは、、「マニキュア」という言葉が示すとおり、
手足の爪に使うマニキュアと同じようなイメージです。
ヘアカラーとは違い、イオン結合によって髪の表面に色素を吸着させる仕組みになっています。健康な髪の毛に付着しやすい特徴があります。
ヘアマニキュアは髪の内部にまで入ることはないため、大きなダメージはありません。
しかしブリーチ作用が無いため黒髪に対してはどんな色を選んでもほとんど色味がみえません。
主に白髪を染める時や、ハイトーンのカラーでビビットな色を出したい時に使います。
また頭皮にヘアマニキュアがつくとなかなか取れにくく施術では根元の1~2mm開けて塗るので、根元から染めることはできません。
色持ちは1ヶ月程度と言われ、シャンプー等で徐々に色落ちしていきますが、最近のものは比較的長持ちしてくれてます。
ヘアマニキュアのメリット・デメリット
メリット | ◎アレルギーリスクは低い ◎白髪が染まる ◎ダメージが少ない |
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デメリット | ✖頭皮染着により根元から染められない(数ミリ浮かせて塗布) ✖黒髪を明るくできない |
さらに詳しいヘアマニキュアの染まる仕組みや特徴を知りたい方はこちらをご覧ください。
③カラートリートメント(塩基性・HCカラー)
一般的に「カラートリートメント」と呼ばれるカラー剤には「塩基性染料」と「HC染料」と呼ばれる2種類の染料が入っています。
もともとはヘアカラーには使うことが出来なかった染料なのですが、2001年の化粧品規制緩和によって、使用することが可能になった(日本の中では)比較的新しい染料です。
・塩基性染料とは?
塩基性染料はプラスの電荷を持っているという特徴があり、
髪の毛の表面にあるケラチンタンパク質のマイナス部分とイオン結合します。(ヘアマニキュアとは逆の性質(電荷)です) 傷んでいる髪の毛に付着しやすい特徴があります。
結合することで染料が付着し色が付くのですが、分子サイズが大きいため、髪の中には浸透しません。
・HC染料とは?
HC染料のHCとは“hair color”の略で、ヘアカラーの染料として開発されたものになります。
HC染料はは分子が小さいため、髪のキューティクルを開く必要なく、髪の内部まで浸透して染めることができます。
しかし、分子が小さいがゆえに、色の落ちも早いという特徴があります。
今後新しく開発されるヘアカラー用の染料はこのHCの名がつくために特徴がそれぞれ違った特徴を持つことになり一概にHC染料は色落ちしやすいと言えなくなってきてます。
こちらの塩基性HCカラーは、マニキュアと似た染料ですがこちらは皮膚に付いても、比較的落ちやすくらなっています。
色持ちは2~3週間程度。シャンプー等で比較的早めに色落ちしやすいです。
市販品では繰り返し使用して染めることをオススメしているものが多いです。
そして、この塩基性カラーとHCカラーはお互いが邪魔にならないために、混ぜられて製品化されているものが多いです。
混ぜて使用することで髪の毛の中と外の両方を染まるように考えられ組み合わされています。
特徴はヘアマニキュアと似ていて黒髪を脱色する作用はありませんが、地肌についても比較的落としやすいために根元から塗布できるという特徴があります。アレルギーの心配もほとんどありません。
カラートリートメントのメリット・デメリット
メリット | ◎アレルギーリスクが低い ◎ビビッドで鮮やかな色味が出せる ◎頭皮染着が少なく、根元ギリギリで染められる(ゼロテク不要) ◎ダメージが少ない |
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デメリット | ✖健康毛や新生部は染まりにくい(髪が弱酸性の状態) ✖色持ちが悪いリフト力がない(明るくできない) |
④ヘナ、インディゴなどの植物性カラー
「ヘナ」はミソハギ科の植物。熱帯地域インドなどの、標高が高く水はけのよい土壌で育ちます。(ここ数年前から日本でも栽培が始まっています)
ヘナの葉には、ローソンというオレンジ色の色素が含まれています。
ローソンはタンパク質の分子と結びつく性質があるので、古代から葉を乾燥させて粉にし、水でといたもので、髪や眉毛、手足、爪などを染めるのに使われてきました。
天然のヘナは脱色(ブリーチ)作用はないためにヘアカラーのように髪の毛を傷めることはありません(明るくすることもできません)。
むしろオレンジの色素が傷んだ髪にできてしまっているダメージホールの穴埋めをしてくれるために、ハリコシやツヤが出やすくなり、くせ毛なども落ち着きやすくなるといった効果があります。
ヘナは植物の粉なので、ヘアカラーで頭皮に刺激を感じやす、ジアミンアレルギーが出るといった方にでも使えます。
「インディゴ」は、こちらもインドで栽培されるハーブの一種で、デニムなどにも使用されるブルーに発色する天然の植物染料です。(最近は日本の「藍」なども髪の毛を染める事ができると研究が進んでいます)
「青緑」の色素を持っていますので、ヘナのオレンジ色を打ち消しながら黒っぽく染める為に、ヘナに混ぜたりして使用される事が多いです。
天然染料は髪の毛や頭皮に対しての刺激はとても少ないですが、
植物であるが故に色のバリエーションが少なく、染まりも悪い(時間がかかる)かったり、
独特の匂いやきしみを感じることもあります。
ヘナやインディゴのメリット・デメリット
メリット | ◎アレルギーリスクが低い ◎頭皮に刺激がない ◎白髪が染まる ◎髪へのダメージがない ◎ハリコシが出る ◎くせ毛が扱いやすくなる |
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デメリット | ✖髪の毛を明るくできない ✖︎色味がオレンジやブルーなど限定される ✖︎しっかり染めるには時間がかかる ✖︎草っぽい独特の匂いが髪に残る ✖︎カラーチェンジが出来ない(インディゴの使用は特に注意) ✖︎植物アレルギーのある方はアレルギーが出る可能性もある |
さらに詳しいヘナやインディゴの染まる仕組みを知りたい方はこちらをご覧ください。
⑤ブリーチ・ライトナー(脱色剤、脱染剤)
「ブリーチ」はその名前の通り「脱色剤」です。
髪の毛の色素を抜く『脱色』のみを行います。染料は入っておりません。
脱色の効果により髪を明るくすることはできますが、他のヘアカラーと違い”色味”を入れること、暗くすること・白髪を染めることはできません。
「ライトナー」とは一度ヘアカラー剤で染めた髪を脱染(染料を取り除く)や、一定の明るさまでになるように調節したものです。
どちらもアルカリ剤と過酸化水素が反応し、髪の内部のメラニン色素を分解・脱色して髪色を明るくします。
酸化染料などの染料は含まれてませんのでジアミンアレルギーの心配はありません。
ただしブリーチ反応による頭皮への刺激性かぶれを起こす可能性は高いです。
髪の毛の色を一度に早く明るくするには最適ですが、髪へのダメージは大きいので注意が必要です。
美容室としてはブリーチは縮毛矯正と並ぶダメージの起こりやすいメニューになります。
ブリーチ、ライトナーのメリット・デメリット
メリット | ◎アレルギーリスクはかなり低い ◎髪の毛を明るくする事ができる |
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デメリット | ✖刺激かぶれを起こしやすい ✖髪の毛へのダメージが大きい ✖︎暗くすることが一切できない ✖︎白髪は染まらない |
さらにブリーチやライトナーの仕組みを知りたい方はこちらをご覧ください。
ジアミンアレルギーの方でも使用できる「ノンジアミンカラー」
このように、たくさんのカラー剤の種類があるのですが、
「パラフェニレンジアミン」などのジアミン染料がが入っているものは、アルカリカラー(酸化染料)と呼ばれ、
明るくしたり、暗くしたり、色味も豊富で色持ちが良いなどヘアカラーとしてとても優れたメリットをたくさん持っているのですが、アレルギー性が高いという大きなデメリットがあります。
一度でもジアミンに対するアレルギー反応「ジアミンアレルギー」を発症してしまうと、もう二度とジアミンを含むヘアカラーでカラーリングする事が出来ません。
その為に、ジアミンアレルギーになってしまったけども、カラーリングを楽しみたい、白髪を隠したいとなると、ジアミンの含まないヘアカラーを使用する必要があります。
それが、
『ノンジアミンカラー』と呼ばれるものです。
“ノン・ジアミン”つまりジアミンを含まないという意味合いですので、
アルカリカラー(酸化染毛剤)以外の、ヘアカラーが「ノンジアミンカラー」という事になります。
「ノンジアミンカラー」種類
「ノンジアミンカラー」と呼ばれるヘアカラーの種類は、先ほどカラー剤の種類で説明させていただいた、アルカリカラーを除いた種類のものになります。
- ヘアマニキュア
- カラートリートメント
- ヘナ・インディゴ
- ブリーチ・ライトナー
これらの種類の中から、メリット・デメリットを確認し、ご希望の髪色に近く染めれるものを選びます。
ノンジアミンカラーのメリット・デメリット
各ノンジアミンカラーの特徴はそれぞれ違いますが、
アレルギーリスクは下がり、髪の毛や頭皮に優しくなるのですが、
その代わりに色味が限られたり、明るく出来なかったり、色持ちが悪いなど、
お客様によってはアルカリカラーに比べてデメリットの部分は多くなってしまう場合があります。
そのため、ノンジアミンカラーを使用する場合には、ヘアカラーの知識に詳しい美容師さんとしっかり相談する事が大切です!
ジアミンアレルギーになってしまったけども、
- 明るくしたい
- 暗くしたい
- 地肌から染めたい
- 地肌に付けたくない
- 色を楽しみたい
- 白髪を染めたい
- かゆくなる
- アレルギーがある
- 化学染料を使用したくない・・・
など皆さんそれぞれのご要望があると思います。
それに加えて、これまでに
- どんなカラー剤を使用して
- どのような症状が出たか
などという事も大切ですので、
ご希望やかぶれの症状をしっかりとお聞きした上で、その方に合わせたベストだと思うカラー剤や施術方法を選ぶ必要があります。
ノンジアミンカラーの選び方
ここまで読んでくださった方は、ジアミンアレルギーについてや、ノンジアミンカラーについてかなり理解していただけたかと思いますが、
実際に一般の方が安全なヘアカラーをご自身で選び、綺麗に染めることはなかなか難しいと思います。
市販のものからノンジアミンカラーを選んで使っても、
もともとノンジアミンカラーはアルカリカラーに比べて染まりが悪いという特徴がある事に加えて、
市販の商品はプロ用と比べて染まりが悪くなっている場合が多いです。(お家で使ってもお風呂場を汚さない様にや、ムラになる失敗を防ぐため)
染まりや色持ちが悪いというデメリットがあるからこそプロ用のカラー剤で、プロに染めてもらう事が大切だと思いますし、
もし間違った商品を選んでアレルギーを起こしてしまうと大変な事になります!
市販やネットで販売してるよくわからないカラー剤を買って失敗されたという話(かぶれを起こした、思った色にならなかった)もよく聞いたりします。
どのノンジアミンカラーを選択するか、どのメーカーの商品を使用するかという事も大切になってきます。
ですので、
ノンジアミンカラーをしてもらう美容室・美容師さん選びも大切!
アレルギーになってしまった場合には、
きちんとアレルギーのこと、ジアミンのこと、ノンジアミンカラーについて知識・経験のある美容室・美容師さんに相談する事が大切です。
残念ながらこういった事に詳しい美容師さんは実際あまり多くなく、
僕のところにジアミンアレルギーでご相談に来られる方も、
これまで通ってる美容師さんに相談しても、「アレルギーについて全然知らなかった」「ノンジアミンカラーについて全然知らなかった」などという意見がほとんどです。
ジアミンアレルギーの方への対応は、
ただ「ノンジアミンカラー」を使用すればいいだけではありません。
アレルギーというものへの特徴や知識が必要です。
“カラー剤だけ”ノンジアミンにしても、
使用するカップやハケ、シャンプークロスやマクラなどに前の人のカラー剤が残っていたりすると、それだけでジアミンアレルギーを発症してしまう方もおられます。
きちんとお店全体として、ジアミンアレルギーの方に対応出来る様に、専用の道具の用意や気配りなどができている美容室でないといけません。
アレルギー・ノンジアミンカラーに詳しい美容師さんの探し方
なかなかジアミンアレルギーに詳しい美容師さんや、ノンジアミンカラーを取り扱っている美容室が無いとお聞きします。
確かに対応されている美容室はまだまだ少ないとは思いますが、詳しい美容師さんなどは、ブログやSNSで発信を続けている場合が多いです。
GoogleやYahoo、Facebook、Twitter、Instagramなどを使って「ジアミンアレルギー」や「ノンジアミンカラー」などのワードやハッシュタグなどで検索かける事で調べる事ができます。
選び方のポイントとしましては、
- 一度だけしかノンジアミンカラーの投稿をしていない
- 新商品だから一応投稿した
- クーポンサイトなどで安売りをしてる
みたいな投稿は注意が必要です!
少ない投稿では本当にアレルギーやノンジアミンカラーに詳しくのかわかりにくいし、
最近ノンジアミンカラーが流行っているみたいなのでとりあえずお店に入れてみた、みたいなノリのお店では怖いので、一つの記事だけでは判断しない方がいいでしょう。
アレルギーの方への対応には注意が必要であったりカウンセリングも大切です。
ノンジアミンカラー自体のコストや時間も通常のヘアカラーよりも上がるため、基本的にはあまり割引をしたり、低価格でされている美容室は少ないです。
そのお店の通常のヘアカラー料金よりプラス料金にされている場合が多いです。
あまりに価格が安い場合はもしかすると裏事情があるかもしれないので避ける方が無難かもしれません。
正しい美容師・美容室選びは
- 何度もアレルギーやノンジアミンカラーについて投稿している
- 複数のノンジアミンカラーを取り扱っている
- お客様のBeforeAfterもいくつも上げている
- マンツーマンかそれに近い形で対応してくれる
などといった投稿をされている美容師さんがオススメです!
少し時間はかかるかも知れませんが、お家から通える範囲に詳しい美容師さんがいないか調べてみるといいでしょう。
不安な場合は、前もって電話やメールなどでアレルギーの症状を伝えて対応してもらえるかお問い合わせをしてみましょう!
大切なのは、施術を行う美容師が理論や注意点を理解して正しい施術を行うことです。 したがって、美容室選びが重要だと言えるでしょう!
ノンジアミンカラーの疑問・質問
ここまでジアミンアレルギーとノンジアミンカラー について詳しく解説してきましたが、もう少し気になる疑問にお答えしていきましょう!
①ノンジアミンカラーならどんなアレルギーの方でも使用できますか?
ノンジアミンカラーはあくまで「ジアミン染料」を含まないカラー剤ですので、ジアミンに対してアレルギーのお待ちの方は安全に使用する事ができますが、
ジアミン以外の成分にもアレルギーをお持ちの方は使用する事ができない可能性があります!
安全と思われがちなヘナやヘアマニキュアでもかぶれる可能性はあります。
ノンジアミンカラーだといって全ての方にアレルギーを起こさないというわけではありません。
その為にご使用前にはパッチテストをすることが大切です。
②オーガニックカラーで染めてもらっているのですが、ノンジアミンカラーとは違うものですか?
様々なメーカーからオーガニックカラーという名称でカラー剤が出ていますが、基本的にオーガニックカラーと呼ばれるヘアカラーは、「ジアミン染料」を含む「アルカリカラー」に分類されます。
アルカリカラーにオーガニックエキスやオイルなどを配合したものを「オーガニックカラー」と呼んでいるだけで、髪の毛を染めている成分は「ジアミン染料」です。ですのでオーガニックカラーであろうがジアミンアレルギーの方はアレルギーを起こしますので注意が必要です。
本当にオーガニックの天然染料で髪の毛が染まるものは、今のところ「ヘナ」「インディゴ(藍)」「ターメリック(ウコン)」だけだと言われています。
③ノンジアミンカラーでアッシュ系に出来ますか?
これは実際のお客様からのオーダーで多いご質問です。
もともと日本人の髪は赤みが出やすいために、赤みの少ないヘアカラー、アッシュとかグレー、ベージュなどの色味をご希望される方も多いです。
ヘナなどではもちろん難しいですが、塩基性染料などはアッシュやグレーなどの色味も揃っていますので、うまく調合すればアッシュなどの色味も可能です。
ただ、まずは安全に染めれるヘアカラーをちゃんと見つける事が大切で、
色味にこだわり過ぎたオーダーを美容師さんにお願いすると、染めれるカラーがいつまでたっても見つからなかったり、無理にヘアカラーを混ぜられてアレルギーを発症してしまうなんて事も考えられます。
色味の細かいオーダーは安全に染めれるカラーが見つかってから美容師さんに相談する方が安全です。
④ノンジアミンカラーで明るい白髪染めはできますか?
今回説明させていただいたノンジアミンカラーの特徴はあくまで”基本的な”情報です。
そのまま使用すると、どれも明るく出来ませんし、ブリーチは明るくするだけなので白髪は染まりません。
ただしプロならではの「応用」を利かせることで、明るい白髪染めも可能です。
これは特にノンジアミンカラーに精通してる美容師さんでないとなかなか対応出来ない事ではありますので、出来るかどうかは担当の美容師さんにお問い合わせてみてください。
⑤パラフェニレンジアミンを含まない酸化染毛剤があると聞いたのですが?
こちらもかなり専門的な話になりますし、使い方を誤るとアレルギーの事故を起こす可能性が極めて高いためにあえて説明に入れてませんでしたが、
「パラフェニレンジアミンを含まない酸化染毛剤」や「ジアミン染料を含まない酸化染毛剤」というヘアカラーもあります。
アレルギー反応を起こしやすい、「パラフェニレンジアミン」及び「ジアミン染料」を配合していない、フェノール系だけで構成された酸化染毛剤もあります。
こちら”ジアミンだけ”にアレルギーのお持ちの方でしたら使用出来る可能性も高いですが、あくまでも「酸化染料」を配合する為に同じ様にアレルギー反応を示される方も多いです。
もし使用出来れば、通常のヘアカラーと近い感じで染める事ができる為に、染まりの良さや色持ちなのども優れているメリットは大きいですが、敏感な方はこれでもアレルギーを発症してしまう可能性がありますので、やはりご使用の前にはパッチテストをしておきましょう。
⑥今はまだジアミンアレルギーではないのですが、なりたくない場合はどうしたらいいですか?
ジアミンアレルギーになりたくない場合は、アルカリカラーをしない事が1番ではあるので、ヘアカラー自体をしない、もしくはジアミンアレルギーになる前からノンジアミンカラーでカラーリングに切り替えるという方もいらっしゃいます。
あとは、上の質問にも書きましたが、パラフェニレンジアミンを含まない酸化染毛剤というものや、ハイブリッドカラーというジアミン染料とそれ以外の染料を混ぜ合わせてヘアカラーする事でジアミン染料を割合を減らしながらカラーリングしたり、
頭皮にベタベタカラー剤を塗布しないとか、ホームカラーを絶対にしないという事も大切です!
担当の美容師さんにジアミンアレルギー予防のヘアカラーが出来るかどうか相談してみてください。
その他、色々なご質問がありますが、似たようなお悩みがないか調べてみてください。
ジアミンアレルギー・ノンジアミンカラー まとめ
以上、今回は「ジアミンアレルギー」と「ノンジアミンカラー」について、一から十までしっかりと解説いたしました!
最近はテレビやメディアなどでもこのジアミンアレルギーについて紹介される事が増えてきました。
ジアミンアレルギーは、ヘアカラーをされている方なら、ある日突然、花粉症様に誰にでも起こる可能性がありますので、今は大丈夫という方でもアレルギーの知識・情報は知っておく方がいいでしょう。
そしてジアミンアレルギーになってしまった方は、アレルギーの性質特徴と共に、あなた自身のアレルギー体質を受け入れながら、
安全にカラーリングできるカラー剤と正しい知識と技術を持った美容師さんに担当してもらいましょう。
それでは最後に要点をまとめておきます。
まとめ①ジアミンアレルギーについて
- ヘアカラーのかぶれには「刺激性かぶれ」と「アレルギー性かぶれ」がある
- アレルギー性かぶれには「遅延型」と「即時型」がある
- 「刺激性かぶれ」の原因は主にブリーチ作用
- 「アレルギー性かぶれ」の原因は主にジアミン染料
- 「パラフェニレンジアミン」がとくにアレルギー性が強い
- 一度ジアミンアレルギーになってしまうとジアミンを含むヘアカラーが使用できない
- ヘアカラーの前にはパッチテストが大切
以上の様に、ヘアカラーのかぶれの原因も2種類あり、ヘアカラーからをした数時間から頭皮がかゆくなる「遅延型アレルギー接触皮膚炎」の症状を示す方が多い。
アレルギー性の原因物質は「ジアミン染料」の可能性が高いです。
ジアミン染料は酸化染毛剤に含まれますので、ジアミンアレルギーになってしまった方は、ジアミン染料の含まないヘアカラーを使用する必要があります。
まとめ②ノンジアミンカラーについて
- ジアミン染料を含まないヘアカラーを「ノンジアミンカラー」という
- ノンジアミンカラーにも種類がある
- それぞれのノンジアミンカラーにメリットデメリットがあるので注意が必要
- 使用するノンジアミンカラーも大切だが施術してくれる美容師さん選びも大切
また、ジアミンアレルギーはまだまだ研究途中の分野なので、これからもっとアレルギーの対応策が考えられたり、
新しいノンジアミンカラーが登場したり、もっといい施術の方法が見つかったり、薬剤や技術も進化して今のデメリットもいずれ改善されてくる可能性もあります。
現状では、しっかり知識と技術のある美容室を見つけて、アレルギー反応が起こらないヘアカラーで施術をしてもらうと良いでしょう!
また、当店では、ここでご紹介させていただいた基本的な「ノンジアミンカラー」だけでなく、他にも数種類のノンジアミンカラーや、メーカー違いなど、
他店とは違ったアプローチによるオリジナルの使用方法を用いたノンジアミンカラーを用いながらヘアカラーでのアレルギーにお困りの様々なお客様に対応させていただいております。
同じ様なお悩みの方がいらっしゃるかもしれませんのでぜひご覧になってみてください。
最後に宣伝です。
メディア掲載情報
ヘアカラーでのアレルギーでお悩みの方に加えて、全国で理美容師向けのアレルギー・ノンジアミンカラーのセミナーも行っています。お気軽にお問い合わせ下さい。
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あっくん★
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